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【デジタル羅針盤】血糖・睡眠・歯…電子計測機器で100年健康

われわれの身の回りには、多くのセンシング技術が使われている。音・光・温度・圧力などの物理情報を検出して電気信号に変える技術だ。多種多様なセンサーが開発され、小型化・高度化が進む。中でも健康管理への応用が注目を集めている。センサーのついた機器を身に着けることで、体に関する情報を取得して分析する。「ウエアラブル/ヘルスケア」と言われる領域だが、市場は年間約10%で成長しており数年後に1兆円を超えると予測される。

手首などに着けて歩数・脈拍・酸素摂取量・消費カロリーなどの運動量を計測する電子機器は数年前から使われてきた。最近では、血圧、血糖値、体脂肪率など健康状態を測定する機能開発が進められており、生活習慣や服薬の改善、重症化の防止に期待が寄せられている。血糖値に関しては、糖尿病患者と予備軍が国内でもそれぞれ1000万人超といわれているが、採血が不要となり、採血の痛みや煩わしさを感じることなく予防管理が可能となる。

睡眠状態を分析して睡眠の質改善に活用する技術は「スリープテック」と呼ばれる。脈拍、呼吸、振動から睡眠の状態を計測する時計タイプの機器や、体の動きやいびきをモニターする寝具などだ。メガネ型端末では、集中力が落ちたり強い緊張が長引いたりした状態を知らせてくれる。においを検知するセンサーを活用し、歯周病の予兆を早期に検知する電動歯ブラシも発売された。特有のにおい成分を口臭センサーが分析してリスクの度合いを知らせる。

体の状態を計測・分析する機器を活用すれば、客観的なデータに基づいてリスクを検知できる。症状が悪化する前に意識や行動を変え、病気の予防や健康増進につながる。行動を管理されると抵抗があるかもしれないが、「健康管理を機械に任せることで、自由な時間が生まれる」と考えれば、時間を有意義に使って楽しむ余裕が生まれる。人生100年時代に備えたデジタル技術の発展を期待したい。

(デジタル・コネクト代表取締役 小塚裕史)

こづか・ひろし 京大大学院工学科修了。野村総合研究所、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ベイカレント・コンサルティングなどを経て、平成31年にデジタル・コネクトを設立し、代表取締役に就任。主な著書に『デジタルトランスフォーメーションの実際』(日経BP社)。57歳。兵庫県出身。


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