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GW旅行の往復は別ルート 「一筆書き切符」の活用法

JR東京駅の東海道新幹線ホーム。東京出張からの帰り、大阪へ向かう「のぞみ」を待つ間、丸の内側に目を向けると、北陸新幹線が発着を繰り返す。「たまにはあちら側に乗ってみたい」。費用を抑えつつ、衝動的な思いをかなえてくれる切符の買い方が実は存在した。金沢経由で新大阪-東京間を移動。帰りは東海道新幹線で新大阪へ。調べてみると、当然時間はかかるが、単純に東海道を往復するより運賃が安い場合もある。要領をつかめばゴールデンウイーク(GW)の旅行に活用することも可能だ。切符は奥が深い。

新大阪(大阪市内)から金沢、東京を経由した山科までの普通乗車券
新大阪(大阪市内)から金沢、東京を経由した山科までの普通乗車券

金沢で市場を散策

休日の朝、午前7時半の新大阪駅。書店で購入した時刻表4月号で調べたところ、同時刻出発の東海道新幹線「のぞみ88号」であれば東京までの所要時間は2時間27分だが、ここはあえて、在来線ホームから7時49分発の「新快速」敦賀行きに乗車する。

山科から湖西線に入り、琵琶湖の西岸を抜けて9時50分に敦賀に到着する。

待つこと35分。米原方面からやってきた特急「しらさぎ3号」がホームに滑り込む。福井、芦原温泉、加賀温泉…。北陸の名所の最寄り駅へ立ち寄り、昼前の11時48分に金沢に着く。

改札を出て、昼食がてら市民の台所として知られる「近江町市場」を散策。日程に余裕があるなら、そのまま市内で1泊するのもおすすめ。難しければ金沢駅に戻り、7年前に長野から金沢まで延伸した北陸新幹線のホームへ。

午後2時47分発の「はくたか568号」に乗り込むと6時前には東京駅。普通乗車券の有効期間は8日間のため、仕事を済ませたり観光を楽しんだりした後、東海道新幹線で新大阪へと戻れば、旅は終了という流れだ。

300円安い

まずはJRの窓口で、新大阪から金沢、東京経由で山科までの普通乗車券1万4410円を購入する。

少々複雑だが、乗車区間が重複する切符は購入できない。新大阪から山科を経由し、ぐるっと大回りして再び山科へ戻るルートであれば、区間の重複が避けられる。乗車駅から複数の駅を経由して乗車駅へ戻る乗車券は「一筆書き切符」とも呼ばれ、営業キロが100キロを超えていれば途中下車もできる。

東京からの帰路は、東海道新幹線の利用を想定。山科-新大阪間の普通乗車券770円を帰る日に合わせて購入し、東京-新大阪間の新幹線特急券を別途購入すれば、「在来線の山科駅を実際には経由しなくても、普通乗車券の区間が連続するため、新大阪に戻ることができる」(鉄道に詳しい関係者)という。

また、金沢などの駅で在来線特急と新幹線を乗り継ぐ際に適用される「乗継割引」を使えば、敦賀-金沢間の特急券が半額に。5枚の切符を持つことにはなるが、全行程の普通乗車券と自由席特急券の合計金額は2万7440円。新大阪-東京間を新幹線の自由席で往復するのと比べ、300円安かった。

あくまで「ルールの穴」

JRには、距離が長くなると普通乗車券1キロあたりの単価が安くなる「遠距離逓減制」があり、この仕組みを応用した形だ。およそ120年前の明治32年に導入された。

JR西日本によると、狭長な日本の地形事情を考慮し、中心地から離れて住む人が移動しやすくするために設けられた。長距離移動となれば、特急料金などが別途発生することがあるため、トータルコストの軽減が狙いだという。

鉄道各社は、いずれも運送約款に基づいて切符を発売している。安全を第一としつつ迅速に、なるべく低コストで輸送するのが鉄道各社の立場であり、鉄道に詳しい関係者は「一筆書きでの遠回り乗車などを、JR側が推奨しているわけではない。あくまでも『ルールの穴』だ」としている。(岡嶋大城)


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