南アルプスを掘削するリニア中央新幹線静岡工区工事を巡り、生態系などへの影響を検証する国の有識者会議の新委員候補が、会議事務局の国土交通省から静岡県へ提示された。県が明らかにした。岸田文雄首相は5月28日に「環境保全に関する有識者会議を速やかに設置したい」と発言したが、国交省鉄道局によると、新設ではなく、大井川の水資源問題を議論し昨年末に中間報告をまとめた有識者会議に、生態系などの専門家を新たに選任する形となった。
生態系などの有識者会議について静岡県は、山口壮環境相をはじめ環境省に5月31日、委員選定などへ積極的関与を求める要望書を提出していた。国交省鉄道局から県への新委員候補などの連絡は同日付で、環境省は水資源議論の際と同様にオブザーバーとして環境影響評価課が参加する形にとどまる。ただ、新委員候補の構成は環境省も推薦・確認しており、互選される座長の要件には「南アルプスの自然環境の保全活動に関与」「環境省の協力を得て推薦してもらった方」などと明記された。
新委員候補は8人。うち3人は県のリニア問題の専門部会メンバーで、生物多様性専門部会の板井隆彦座長(静岡淡水魚研究会会長)▽同部会の増沢武弘委員(静岡大客員教授)▽地質構造・水資源専門部会の丸井敦尚委員(産業技術総合研究所)。
川勝平太知事は発表コメントで「環境省も有識者会議の開催にあたり、強力なリーダーシップをとることが不可欠」と不満を漏らす一方で「県に関わりのある専門家が選ばれたことは評価したい」とも記した。
オブザーバーには県や大井川流域市町、文部科学省、林野庁、JR東海も加わる。国交省は、開催予定は今月上旬としている。






























