自動車業界、消費増税に強い危機感 雇用と業績直撃…政府とせめぎ合い

 
共同会見を開き、自動車関連の税負担軽減を求めた日本自動車工業会など業界団体の首脳ら=15日、東京都港区共同会見を開き、自動車関連の税負担軽減を求めた日本自動車工業会など業界団体の首脳ら=15日、東京都港区

 年末に行われる2014年度税制改正協議に向けて自動車関連税制の見直しが焦点に浮上する中、日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)ら自動車業界の首脳は15日、都内で共同会見を開き、2014年4月の消費税増税に併せて自動車取得税の減税など負担軽減策を講じるよう求める要望書を発表した。

 一方、政府は15年度に廃止される取得税の代替財源として逆に軽自動車税を増税する方向で検討を始めており、せめぎ合いが今後激しくなりそうだ。

 要望書では、14年4月に消費税率を8%に引き上げた段階で取得税の3%減税やエコカー減税拡充などを実施し、税負担を相殺するよう要求している。

 会見で豊田氏は「関連税制が軽減されずに消費税が増税されれば、国内販売は落ち込み、経済や雇用に深刻な影響を与える」と訴えた。

 全国軽自動車協会連合会の松村一会長は、取り沙汰されている軽自動車税の増税について「庶民や零細事業者を直撃する」と反対した。

 自動車業界が危機感を強めるのは、消費税率が3%から5%に上がった1997年度の増税で国内の新車販売台数が年間101万台減った経験があるためだ。

 自工会の試算では対策を講じずに税率が8%になれば販売台数は58万台減り、17万人の雇用が失われるといい、最近の円安効果による業績改善が吹き飛ぶ。

 業界挙げての訴えが実り、13年度税制改正大綱で消費税が10%に上がる15年10月には取得税を廃止する方針が明記された。ただ、消費税8%段階の負担軽減策は決まっていない。

 また、総務省は取得税廃止で失う年間約1900億円の代替財源を確保するため、同じ地方税で、しかも自動車関連税である軽自動車税の増税を検討。自動車業界は「負担のすり替えだ」(日本自動車販売協会連合会の守川正博会長)と反発を強めている。

 ただ、税収の頭打ちが続くなか、自動車関係税以外の代替財源を確保するのは困難な状況。年末の税制改正協議では国、地方、業界が三つどもえの激しい議論を繰り広げそうだ。