VWトップが辞意 排ガス不正問題で引責「会社の利益のため」

 

 【フランクフルト=宮下日出男、ワシントン=小雲規生】独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制逃れのために一部のディーゼルエンジン車に違法ソフトウエアを搭載した問題で、VWは23日、ウィンターコルン最高経営責任者(CEO)が責任をとり辞任すると発表した。DPA通信などが伝えた。

 同社は同日、これに先だって監査役会の主要メンバーが緊急に集まり、対応を協議していた。ウィンターコルン氏は同日の声明で、「不正行為については知らなかったが、会社の利益のためだ」と辞任を決めたことを明らかにした。

 VWの不正問題をめぐっては、米ニューヨーク州のシュナイダーマン司法長官は22日、「いかなる企業も環境規制から逃れることはできない」として調査に乗り出したことを明らかにした。VWは、問題車両が世界全体で約1100万台に上る可能性があると発表している。ロイター通信によると、全米50州の違法ソフトが搭載されたVW車の所有者を代表して損害賠償などを求める集団訴訟が少なくとも25件起こされている。原告の数は今後も増えるとみられ、大規模訴訟に発展する可能性がある。