トヨタ、2050年にはガソリン車ほぼゼロ エコカー普及でCO2削減
トヨタ自動車は14日、中長期的な環境への取り組みをまとめた「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表した。2050年の新車走行時の平均二酸化炭素(CO2)排出量を10年比で90%削減するなどの目標を盛り込んだ。実現に向けてハイブリッド車(HV)に加え、CO2排出がゼロの燃料電池車(FCV)などエコカーの普及を加速する。
内山田竹志会長は同日の講演で「人とクルマと自然が共生する社会を目指して新しいチャレンジをスタートする」と述べた。目標を踏まえた20年までの実行計画では「究極のエコカー」とするFCVの世界販売を年3万台以上に引き上げる。昨年12月に発売した初のFCV「ミライ」は17年の生産計画が年3000台にとどまるが、「普及を促進する意思表示だ」(伊勢清貴専務役員)
HVも12月に発売する「プリウス」の新型車普及などに伴い低価格化を進め、14年の126万台から年150万台に増やす方針。電気自動車(EV)は「近距離の街乗りなどを考えると今後は必要になる」(同)としつつも、FCVなどの開発を優先する方針を示した。
一方で、50年にはガソリン車やディーゼル車は「生き残るのが難しい」(同)として、トヨタの販売に占める割合はほぼゼロになるとの見通しを示した。
生産面では、50年に新設する工場や生産ラインのCO2排出をなくすことを目指す。第1弾としてブラジル工場は今年から風力や水力、バイオマスの電力のみを利用するなど再生可能エネルギーの活用を進める。
■トヨタ環境チャレンジ2050の主な目標
【2020年】
・燃料電池車(FCV)の世界販売は年3万台以上
・ハイブリッド車(HV)の世界販売は年150万台
・東京オリンピック・パラリンピックに向け燃料電池バス100台以上の導入を推進
・新車走行時の平均二酸化炭素(CO2)排出量を10年比で22%以上削減
【50年】
・新車走行時の平均CO2排出量を10年比で90%削減
・新工場や新生産ラインのCO2排出量をゼロに
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