事故車自動通報でドクターヘリ トヨタ、ホンダなど試験運用
トヨタ自動車やホンダが試験運用を始めた自動通報システムは、事故車の状況をタブレット端末に送ってドクターヘリ出動を要請する=30日、東京都江東区
トヨタ自動車やホンダなどは30日、交通事故を起こした車両が被害状況のデータを自動送信し、ドクターヘリの出動を要請する救急自動通報システムの試験運用を始めたと発表した。消防への連絡や確認作業を省くことで、治療開始までの時間を短縮して救命率が上がるという。2018年中の本格運用を目指す。
試験はNPO法人救急ヘリ病院ネットワーク(篠田伸夫理事長)が主体で、全国のドクターヘリの基地病院9カ所も参加する。システムは、事故によりエアバッグが開いた車両が位置情報や衝突の激しさ、シートベルト着用の有無などを送信。システムを運営する日本緊急通報サービスのセンターで約280万件の事故データを基に重傷率などを推定し、医師らの乗るドクターヘリの出動を要請する。同ネットワークによると、従来は発生からドクターヘリが出動し、医師が治療を始めるまで約38分かかっていた。新システムは実証実験で約40キロ離れた事故現場での治療まで約21分と大幅に時間を短縮したという。
対応機能の搭載車は、トヨタが約5000台、ホンダが約10万台。両社のラインアップ拡大などで、国内の搭載車は17年に約40万台まで増える見込み。
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