東芝、22年ぶり売上高5兆円割れか 白物家電の国内生産拠点も売却へ

 
インタビューに答える東芝の室町正志社長=28日、東京都港区の東芝本社

 東芝の室町正志社長は28日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、採算が悪化している白物家電、パソコンの両事業について実質的に売却する方針を示した。両事業とも、他社との事業統合を検討しているが、合弁会社をつくっても議決権の過半は持たず、東芝の連結決算への影響を抑える。

 これらにより、2017年3月期の連結売上高は「5兆円割れの可能性もある」という。5兆円を下回れば、1995年3月期以来、22年ぶり。事業規模を縮小し、生き残りを目指す姿勢が鮮明になりそうだ。

 利益水増し問題の発覚で収益力低下が顕著になった東芝は、白物家電はシャープと、パソコンは富士通などとの事業統合を模索している。室町社長は「マジョリティー(過半)は持たない、というのが基本的な考えだ」と強調。白物家電の国内生産拠点(新潟県)も売却する方針を示した。

 また、第3の主力事業として育成してきたヘルスケア事業は、既に中核子会社を売却する方針を発表。売却額について室町社長は、「数千億円にはなる」と述べた。

 今月21日に発表した計1万600人の人員削減に続き、来年3月末までに白物家電、パソコン、ヘルスケアをそれぞれ連結対象から外す。売却先が決まれば、1兆円を超える大幅減収となる見通し。東芝の連結売上高はピークの08年3月期には7.6兆円に達していた。

 主力事業は、記憶用半導体と原発などインフラの2本柱。記憶用半導体については、韓国のサムスン電子との競争が激しく、成長には毎年、数千億円の投資が必要とされる。

 室町社長は「必要最低限は確保したい」と述べた。分社化して上場し、調達した資金を成長投資に充てる構想があるが、「軽々には判断できない」と慎重に検討する考え。分社化のデメリットも見極めて判断する。

 就任当初、暫定的な社長とみられていた室町氏。経営に携わる期間に関しては、「構造改革、(東証から指定された)『特設注意市場銘柄』からの解除、黒字化の3つをやり遂げたい」と述べた。指定解除は早ければ来年9月だ。

 ■東芝の各分野の方向性

 位置付け(事業分野/方向性/売上高)

 収益の柱(半導体メモリー/分社化、上場を検討/1.7兆円)

     (原子力などインフラ/継続/2.0兆円)

 次期中期経営計画で検討(水・環境システムなど/継続/1.4兆円)

 撤退・縮小(白物家電/実質売却へ/1.1兆円)

      (パソコン/実質売却へ/1.1兆円)

      (テレビ/海外から撤退、国内縮小/1.1兆円)

      (ヘルスケア/中核子会社を売却へ/0.4兆円)

 (注)売上高は2015年3月期