「迷ったら原点戻る」 ヤマダ電機次期社長の桑野光正氏

登板
握手をする(左から)次期社長の桑野光正取締役執行役員常務、山田昇社長、一宮忠男副社長=21日、群馬県高崎市のヤマダ電機本社

 一カ月前に山田昇社長の自宅に呼ばれ、他の役員が帰った後、「来期から社長をやってもらう」と直接、後任に指名された。創業家以外の社長就任は同社で初めて。その場で理由を説明されたが「あまりのことでよく覚えていない」と打ち明ける。

 ディスカウントストアのダイクマ出身で平成16年9月に入社後、一貫して総務部門を担当。接客の技能向上や従業員配置の効率化など、人事制度改革に手腕を発揮した。「判断に迷うことがあれば、研修施設の礎生塾に戻って原点を見直したい」と気を引き締める。

 インターネット通販の拡大や少子高齢化に伴う家電市場の縮小など、業界を取り巻く状況は厳しい。同社は昨年9月までに郊外の不採算店約60店を閉鎖し、都市部の新業態店を強化するなどの改革を進めた。足元の業績は改善したものの、消費税率10%への引き上げを29年4月に控え、先行きは楽観視できない。

 当面は創業者の山田氏との“二人三脚”で、さらなる成長を図る。「全国に広がるネットワークと5千万人の会員のお客さまがいる。このデータをより活用していきたい」と静かに意気込みを述べた。(永田岳彦)