シャープ、台湾の鴻海に優先交渉権 「外資傘下」強まる
シャープ本社ビル(右)=大阪市阿倍野区(本社ヘリから)
経営再建中のシャープは4日の取締役会で、6千億円規模の拠出を提案していた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に優先交渉権を与えることを決めた。官民ファンド、産業革新機構が3千億円規模を出資する再建策を受け入れる方向だったが、事業売却や人員削減を否定して現在のシャープを温存する鴻海案を評価した。今後、機構とも協議を続けるが、国内大手家電のシャープが外資の傘下に入る方向が強まった。
鴻海は、シャープ本体への出資や事業拡充に必要な成長資金として6千億円超を拠出することを提示していた。1月末、大阪市阿倍野区のシャープ本社を訪れた郭台銘会長はシャープ経営陣に直接説明。現経営陣を続投させ、事業売却はせずに「シャープ」ブランドを温存し、雇用も守る考えを示していた。
シャープの再建をめぐっては、液晶分野での先端技術の海外流出を懸念する政府の意向や支援の実現性を踏まえ、官民ファンド、産業革新機構による再建案を受諾する方向で調整していた。
ただ、主力の液晶事業を分社化して機構傘下の中小型液晶大手ジャパンディスプレイと統合し「日本連合」の形成を目指すほか、冷蔵庫や洗濯機など白物家電も東芝の同事業と再編を検討する機構案には、シャープの解体につながると懸念が強かった。
社外取締役らから「機構案では合理的な説明がつかない」と再考を求める声が上がり、機構案より好条件を提示した鴻海を蹴って株主代表訴訟を起こされるリスクを防ぐ思惑もあるとみられる。
シャープは主力の液晶事業の低迷などが響いて平成23年以降、急速に経営が悪化した。たびたび金融支援を受けたものの経営を大幅に改善できなかった。
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