鴻海・郭会長「一辺倒の支持いただいている」 春節休み前の交渉加速目指す
シャープ本社を訪れた鴻海精密工業の郭台銘会長=5日午前、大阪市
経営再建中のシャープに買収を提案している鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長が5日、大阪市阿倍野区のシャープ本社に乗り込んだ。午前9時すぎ、報道陣が待ち受けるなか、郭会長は「(シャープの)高橋興三社長とのミーティングを設定した。できれば今日午後3時にはサインを完了したい」と笑顔で語った。
もともとシャープ側が台湾に担当者約10人を派遣することで調整していたが、春節(旧正月)の連休入りを控え、自身が直接することで交渉を加速させることを狙った訪問だった。
台湾のカリスマ経営者は玄関前で報道陣をみつけると「隠れて本社に入ろうと思ったのになぜ君たちがいるんだ」と笑った。
さらにシャープとの交渉の状況や舞台裏に関する質問が次々と浴びせられると、朗らかな様子で通訳を通じて丁寧に答えた。
「4日のシャープの取締役会の後、高橋社長と電話で会議した。われわれに一辺倒の支持をいただいたと認識している」と語った。
報道陣との約15分のやりとりを終えて本社に入っていく際には、振り向いて白い歯を見せながら手を上げ、大詰めの交渉に自信をのぞかせた。
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