シャープ再建 主力2行容認、金融支援含まず 鴻海へ不信感も…
シャープが台湾の鴻海精密工業を軸に再建を目指す方向になったことについて、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行のシャープの主力取引2行は容認する構えだ。産業革新機構案は最大3500億円の金融支援策を含んでおり、銀行に大きな負担がかかる。これに対し鴻海案は金融支援が含まれておらず「受け入れやすい」のが本音のようだ。
鴻海が先週、6000億円超と高額な出資額を示したことも評価のポイントの一つだ。自己資本比率が著しく低下しているシャープに入るお金がより多く、経営が回りやすくなるからだ。
鴻海が雇用を守ることに強い意思を示している点も重要な判断材料となる。革新機構案ではシャープの液晶事業とジャパンディスプレイの統合を目指しており、「将来的にリストラは避けられない」との見方が出ている。
一方、鴻海に対して不信感を持つ銀行関係者がいるのも事実だ。2013年には出資に名乗りを上げたにもかかわらず、シャープ株急落を受けて交渉から手を引いた経緯があったからだ。
ただ両行ともシャープの判断を尊重し、支援を続ける姿勢に変わりはない。当面はシャープの検討状況を静かに見守ることになる。
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