トヨタ労組、下請け中小との格差是正難しく ベア見送った企業も…

 

【2016春闘】

 今春闘で、トヨタ自動車労働組合はベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分として月額3000円を求める。トヨタの労使交渉は、系列の下請け部品メーカーにも大きな影響を与える。労組側はベアと、下請けの中小企業との格差縮小を目指すが、二兎を得るのは容易ではない。

 トヨタを頂点に1次、2次…と何層もの下請け企業が支える“トヨタピラミッド”において、グループ各社はトヨタの妥結額を「天井」に、労使交渉をまとめる傾向がある。

 2015年春闘では、トヨタ労組は前年の妥結額の2倍以上のベアを要求。強気の目標を掲げることで、グループの中小企業の労組の交渉を後押しする狙いだった。

 最終的にトヨタは4000円、グループ大手のデンソーなどは3000円のベアで回答。ただ、中小企業の中にはベアを見送った企業もあり、「トヨタとの格差はさらに広がってしまった」(グループの労組幹部)。

 16年春闘ではトヨタ労組は打って変わり、昨年の要求額の半額となる3000円のベアを要求。格差の拡大を防ぎ、中小の労組も取り組みやすい水準にする。一方で、「天井」が下がったことで、中小のベアが低水準に抑えられる懸念もある。

 人件費の増加で下請けの体力が低下すればグループの競争力に直結する。急速な円高などで業績悪化のリスクも浮上する中、トヨタの労使は難しい交渉を迎える。