コカ・コーライーストジャパンの挑戦

グローバルなノウハウ融合
「やさしい軟水アクアボナ」の製品目録を手渡すマンドレア氏(左)と桜井南相馬市長

 ■東日本大震災から5年 地域とともに歩み続ける復興支援活動

 コカ・コーライーストジャパン(東京都港区)の営業部門のトップであるコスティン・マンドレア氏が、東日本大震災発生から5年を迎える3月11日に、福島県南相馬市の桜井勝延市長を訪問した。震災直後から、復興支援活動に取り組んできたコカ・コーライーストジャパンの5年間を振り返る。

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 ■営業トップが11日に南相馬市を訪問

 3月11日、福島県南相馬市役所で南相馬市の桜井勝延市長を訪問したコスティン・マンドレア氏。桜井勝延市長にさらなる復興に向けた激励の言葉を伝え、市の備蓄や市民の飲用水として活用してもらうための同社製品「やさしい軟水 アクアボナ」1000ケースを贈呈した。

 震災発生当時、自治体などの要請や救済が必要な地域への支援として46万本(500ミリリットル換算)の飲料提供をはじめ、蔵王工場の井水を飲用水として、宮城県蔵王町、消防団、自衛隊に計75トンを提供してきたコカ・コーライーストジャパン。その後も「できることから着実に、一歩一歩、前へ!」を合言葉に、全従業員一丸となり、飲料を必要とする地域や、取引先への製品供給などの支援活動に努めてきた。地域に根ざし、地域とともに歩むコカ・コーライーストジャパンの企業姿勢を忘れることなく、継続的な復興支援活動は現在も続いている。

 「地域社会は、わたしたちコカ・コーライーストジャパンにとって大切なパートナーです。震災から5年間、地域の皆さんと様々な支援活動に取り組んできましたが、これからも、さらなる復興を目指して、ともに前に進んでいきましょう」とコスティン・マンドレア氏は語った。

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 ■地域に寄り添いボランティア活動継続

 コカ・コーライーストジャパン(当時、仙台コカ・コーラボトリング)も、震災で4人の従業員の尊い命を失った。本社屋や各地の事業所の建屋・倉庫、販売機器の損壊など被害が大きかったが、震災直後から、社員によるボランティア活動などによる復興支援を開始し、現在も続いている。

 今年の1月16日は、コスティン・マンドレア氏をはじめとする、19人の営業本部メンバーが宮城県南三陸町を訪れ、入谷地区で木々を薪用に切断する農業ボランティア活動を行った。南三陸町では震災後、持続可能な循環型の町づくりプロジェクトを2012年からスタート。漢方薬に利用する薬草の無農薬栽培、商品のブランディング・流通経路を開発し推進している。薬草の根を洗う工程の中で、大量の湯を沸かすための薪が必要という地域の人たちの日常の声を聞きつけ、農業支援につながった。

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 <震災発生からの被災地支援活動の一部>

 2011年6月 宮城県東松島市で津波被害の被災地支援活動

 2011年10月 同七ヶ浜町で海岸・田畑のがれき撤去支援活動

 2012年5月 南東北エリアの社員全員が地域貢献活動を実施

 2013年5月 宮城県南三陸町で農業・漁業の復興支援活動

 2013年6月 南三陸町でがれき撤去支援活動

 2014年5月 南三陸町で養殖漁業支援活動

 2016年1月 南三陸町で農業支援ボランティア活動を実施

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 ■1都15県の販売エリア持つ強み生かす

 コカ・コーライーストジャパンの復興支援は、社員によるボランティア活動だけでない。

 東日本大震災以降、防災意識や安心や安全を求めるニーズが高まり、災害時にもっとも必要とされる「飲料水」の安定供給と災害時の迅速な供給体制を図るため、蔵王工場で2013年3月4日から製造され、宮城県、福島県、山形県で販売されることになったのが、「やさしい軟水 アクアボナ」だ。

 復興活動のシンボル的な商品にも位置づけられる「やさしい軟水 アクアボナ」の売り上げの一部を「東日本大震災みやぎこども育英募金」と「東日本大震災ふくしまこども寄付金」へ寄付している。

 また、寄付型自動販売機の設置も行っている。自販機の設置者に支払う販売手数料の一部を「NPO法人JETOみやぎ」と「NPO法人子どもの村東北」に寄付し、東日本大震災で親を亡くした震災遺児の支援として、養育や進学の支援に充てる仕組みを生み出した。時間や場所を問わない支援は、被災地を中心に首都圏にも広がりを見せている。

 宮城県外でも積極的に復興活動を展開。1都15県の販売エリアを持つ、コカ・コーライーストジャパンだからこそ可能な、復興支援活動を続けている。

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 ■2013年3月~15年3月までの寄付金

 東日本大震災みやぎこども育英基金 53万2625円

 東日本大震災ふくしまこども寄付金 43万6486円