高級ビールの販売競争激化 “王者”サントリー、サッポロなど新商品投入相次ぐ
高級ビールの販売競争が激化している。サントリービールが高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」シリーズの新商品「ザ・プレミアム・モルツ〈香るエール〉」(同260円前後)を1日に発売したほか、サッポロビールは主力の高級ビールブランド「エビス」の新商品「エビス マイスター」(350ミリリットル入りの価格は290円前後)を5月17日に発売するなど新商品の投入が相次いでいるためだ。人口減少などによって国内ビール市場が低迷する中、高級ビール市場は増加傾向が続いている。サントリービールは2016年は前年比1%増の3280万ケース(1ケースは大瓶20本換算)に拡大すると試算する。新商品投入や既存商品の刷新などでシェア拡大につなげたい考えだ。
サッポロビールは、エビスブランドとして6年ぶりの通年商品となる「エビス マイスター」を投入するほか、高級ビールの主力商品「エビス」(同260円前後)を刷新し、15日に発売する。コクのある味わいをさらに高め、パッケージも一新する。エビスブランドは16年に5%増の1000万ケースの販売を目指す。
サッポロの攻勢を迎え撃つのが、高級ビール市場で5割超のシェアを誇るサントリービールだ。昨年12月に主力の高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」を2年9カ月ぶりに刷新したほか、新商品「ザ・プレミアム・モルツ〈香るエール〉」の投入で、16年は3%増の1800万ケースの販売を目指す。
キリンビールは瓶専用プレミアムビール「一番搾り シングルモルト」(305ミリリットル入りの価格は280円前後)を4月中旬に投入する。アサヒは「アサヒスーパードライ ドライプレミアム」(350ミリリットル入りの価格は260円前後)を発売するなど各社は高級ビールの品ぞろえを強化している。
国内消費は景況感の不透明さを背景に消費の二極化が顕在化しており、「価格は高くても良いものを飲みたい」という層も増えている。高級ビール市場の覇権をめぐる争いは今後一段と熱を帯びてきそうだ。
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