ソニー、音楽出版の収益強化 米ソニーATVを完全子会社化
ソニーは15日、音楽出版最大手の米子会社、ソニーATVミュージックパブリッシングを完全子会社化すると発表した。ソニーATVに折半出資する米人気歌手のマイケル・ジャクソン氏(故人)の遺産管理財団の持ち分を7億5000万ドル(約840億円)で取得する。
音楽CDの販売や楽曲のダウンロード数は減少傾向だが、定額音楽配信サービスが普及していることなどから、音楽出版は安定収益が見込めると判断した。
最終契約を今月末までに結ぶ予定。監督官庁などの承認を経て、ソニーの米国子会社の完全子会社にする。2016年3月期の連結業績への影響は軽微としている。
ソニーATVは、ソニー米子会社とジャクソン氏が1995年に折半出資で設立した。ビートルズをはじめ、レディー・ガガ、テイラー・スウィフトなど約200万曲の楽曲著作権を管理する。
ソニーとジャクソン氏の遺産管理財団は、片方がもう一方の株式を買い取れる「バイセル取引」の契約を締結。ソニーが昨年9月、その権利を行使し、持ち株を手放すか、買い取るかを慎重に検討していた。
ソニーは国内外で音楽制作・販売を手掛けるほか、11年に投資ファンドと英音楽大手EMIの音楽出版事業を共同買収するなど、音楽出版事業を拡大してきた。
17年度までの中期経営計画では、映画や音楽などエンターテインメント分野を成長牽引(けんいん)分野と位置付けている。
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