三井物産 ロシア、輸入代替に商機
インタビュー□三井物産執行役員CIS総代表兼三井物産モスクワ社長・目黒祐志さん(55)
--2015年のロシアのGDP(国内総生産)成長率は6年ぶりのマイナスと苦戦した
「消費の冷え込みや欧米の経済制裁の影響でマイナス4%弱だったが、国の実力を示す数値はGDPだけではない。思ったほど悪くないのが現地での実感だ。原油安下でも15年の対外貿易収支、経常収支とも黒字を確保した。ロシア経済は石油・ガス輸出への依存度が高いだけに原油安と通貨ルーブルの下落は相関性が高い。だが、中央銀行による通貨防衛のための市場介入は極端に少なく、足元の外貨準備高も減っていないのが実情だ」
--経済への懸念で日本企業は総じて投資に慎重だ
「ロシアが日本企業に投資を期待する時期は限られており、今こそ投資を考えるべきだ。輸送日数を考えてもエネルギー協力は重要で、産業分野への投資も期待されている。ルーブル安は悪いことばかりではない。通貨安で輸入品が割高になり、国内産業が息を吹き返し、モノづくりが得意な日本企業と協業できる商機は大きい」
--具体的には
「例えば小麦生産(数量)は昨年、ロシアが米国を抜き首位に躍り出た。欧米向け対抗措置として実施した食品の禁輸措置も国内農業の成長につながった。食肉も国産が増え、食料分野は輸入代替から輸出産業にまで成長し、今後は小麦や食品輸出が加速するだろう」
--他にはどの分野の輸入代替が進むのか
「医薬品や肥料、鉄鋼製品などの輸入代替も進むとみている。ロシアでは心筋梗塞など若い人も含め国民の死亡原因の50%以上を循環器系の病気が占め、医薬品や診断などの先端治療技術協力などで貢献していきたい」
--2月末に「日露貿易産業対話」が開催された
「今後の日露の政治日程を踏まえると、持続的なパートナー関係を築くことが重要だ」
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【プロフィル】目黒祐志
めぐろ・ひろし 1983年東京外大外国語卒、三井物産入社。2003年鋼管厚板貿易部鋼管貿易第一室長、07年三井物産モスクワ副社長、08年社長、11年CIS総代表を兼務。15年4月から執行役員。北海道出身。
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