三井住友信託銀行 住宅ローン金利、戦略的に引き下げ

インタビュー

 □三井住友信託銀行 ローン業務推進部企画チーム長・野田典志さん(42)

 --10年固定型の住宅ローン金利(最優遇金利)は2月が0.7%、3月も日銀のマイナス金利政策の影響で0.5%と大手銀行の中で最も低い

 「2月の借り換えの申込件数は前月比4倍、新規も前年を上回るペース。3月も増えている。3月は30年固定型も1.15%と低く、全借入期間で魅力的な金利を提案している」

 --3月の10年固定型ローン金利は変動金利(最優遇0.6%)を初めて下回った

 「顧客に知ってもらうきっかけづくりとして、戦略的に金利を引き下げている。当社は信託銀行なので知名度は低いが、住宅ローンから取引を始めてもらえればありがたい。当社の店舗は他の大手行や地方銀行に比べて少なく、人員も限られているので経費は抑制されている。このため住宅ローンの採算性は確保できている」

 --10年固定型ローンの下げ幅が大きくなったのは、変動金利の引き下げが困難になってきたためか

 「あまりそういう考えはない。10年固定型の金利を下げたのは、市場の長期金利が大きく下がったためだ。不動産価格も高騰しているが、顧客ニーズが盛り上がる起爆剤になれば。当社の強みである資産運用にもつなげたい」

 --住宅ローン減税を含めると事実上のマイナス金利といえる例も出ているが、住宅ローン金利そのものをマイナスにすることはあり得るのか

 「欧州ではそういう金融機関があると聞いており、情報は収集している。日本では弁護士や学者でつくる金融法委員会(事務局・日銀)が『預金にマイナスの金利をつけて口座からお金を差し引くことは契約の解釈上できない』との見解も示しているので、勉強中だ」

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【プロフィル】野田典志

 のだ・ふみゆき 1996年三井信託銀行(現三井住友信託銀行)入社。三井住友トラスト・ホールディングス経営企画部などを経て2014年7月から現職。愛知県出身。