東芝・室町社長「白物売却…じくじたる思い」

 
厳しい表情で記者会見する東芝の室町正志社長=18日午後、東京都港区の本社

 東芝の室町正志社長の記者会見での一問一答は次の通り。

 「(不正会計問題で)失った信頼や信用、企業価値は一朝一夕には取り返せない。再び永続的な発展を遂げられる企業へと再生したい。事業計画(の収益目標)を着実に達成し、収益力を強化する」

 --パソコン事業を富士通、VAIO(バイオ)と統合する見通しは

 「方向性は一致しているが、さまざまな条件がまだ集約できていない。2016年4~6月期までに決着したい」

 --主力の記憶用半導体は市場の変化が激しい

 「ボラティリティー(変動)のある事業で、慎重に投資をしなければならない。ただ、シェアを維持するためには資源投入が必要で、3年間で研究開発投資を含めて8600億円をかける」

 --事業計画を完成させて一段落した。バトンタッチする考えは

 「一段落と言うのは時期尚早だ。私の進退は指名委員会に委ねられているので、私から申し上げることは差し控えたい」

 --白物家電事業を売却する

 「長年にわたり東芝を支えてきた事業で、ブランドイメージの点でも貴重な財産だ。じくじたる思いだが、構造改革のために断行する。アニメ『サザエさん』のスポンサーは継続したい」

 --医療機器子会社の売却を急ぐ理由は

 「株主資本比率がマイナスに転じるリスクを考えた。売却益を16年3月期に計上できれば幸いだ」

 --米司法省が不正会計を調査している

 「調査は初期の段階で、現時点では何が対象なのか認識していない」