足利銀行 館林支店・星野絵梨子さん(3)

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 □館林支店カスタマーアドバイザー 星野絵梨子さん

 ■メリットの前にデメリットを話す

 足利銀行館林支店カスタマーアドバイザーの星野絵梨子さんが、顧客への資産運用提案にあたって心掛けているのは商品説明の際に、必ずメリットの前にデメリットを話すことだ。先にメリットを伝えると、良いことばかりが頭に残ってしまい、後でデメリットを説明しても顧客には伝わりにくいためだ。

 米ドル建ての株式投資信託を例に挙げれば、為替が円高に振れた際には価額が下がる、中国経済などの影響を受けて株価が下落することもあるなど、リスクに関する説明を先に行ったうえで、値上がり要因を伝える。この流れを意識することで、「悪いことでも正直に話してくれる」という印象が強くなり、顧客からの信頼につながっていくという。

 顧客目線でアプローチする星野さんは、初めて面談する担当先に対してはまったくタイプの異なる商品を三種類用意。まるで違う商品を案内することで顧客の意向を探る。好きなものを伝えてくれる人は少ないが、「嫌いなもの、苦手なもの」に対してはほとんどの顧客が明確に反応を示す。「株は怖い」とか「不動産は危ない」など面談のたびに反応を観察し、それを記録しておくことで次第に好みの傾向、輪郭がはっきりしていくわけだ。

 一方、企業経営者への運用提案で相手先を訪問していると、「法人としてのニーズが垣間見えることもある」(星野さん)という。

 以前に館林支店と融資取引があったものの、預金取引だけになっている企業に対し、融資渉外担当者に同行訪問を提案、半ば飛び込みで訪問活動をスタートしたケースがその一例だ。

 最初は個人の運用の話をしていた社長が、あるとき「決算書を良くしたい」と口に出す。このニーズをキャッチした星野さんは、保険料の損金処理でニーズを満たせるのではないかとすぐに担当部署につなぎ、最終的に法人保険の成約を獲得した。

 「預かり資産のことに限らず、お客さまがもっと気持ち良く自分から話せるような場づくりをしたい。アンテナを張り、どんなニーズも聞き漏らさないようにしたい」という姿勢が、星野さんの高い実績に結びついている。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp