社債市場、マイナス金利で異例の事態 企業が投資家から利息もらいお金借りる

 

 日銀が2月に導入したマイナス金利政策が社債市場にも異変を起こしている。三井住友ファイナンス&リースは24日、償還期限が6カ月の短期社債を年マイナス0.001%の利率で50億円発行することを決めた。企業が投資家から利息をもらってお金を借りるという異例の事態で、今後、こうした動きが広がる可能性がある。

 三井住友ファイナンス&リースが発行するのは、コマーシャルペーパー(CP)と呼ばれる短期社債。28日に発行する。市場から50億円を調達したうえで、2万5000円の利息も受け取る。

 社債市場では、ファーストリテイリングやJR東日本がマイナス利回りで取引されたケースがあるが、発行段階からマイナス利率を条件にしたのは今回が初めて。投資家にとっては、社債を引き受けても損をする。

 ただ、日銀は金融緩和の一環として多額のCPを買い入れている。投資家はマイナス金利で購入しても、日銀の買い入れオペに応じて転売すれば損失にならない。

 このため三井住友ファイナンス&リースは、一定の需要が見込めると判断し、発行に踏み切った。

 三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「企業の信用力の差もあるが、今後、マイナス利率の社債が増える可能性がある」と指摘する。

 マイナス金利による市場金利の低下で、企業は超長期の資金調達も選択肢のひとつとなっている。JR西日本は償還までの期間が40年の普通社債を発行した。民間企業による40年社債は初めて。それまでは期間30年が最長だった。

 運用難にあえぐ機関投資家のニーズが見込めるためで、超長期の社債にもかかわらず、利率は年1.575%の低利となった。

 マイナス金利導入は副作用が先行しているが、一方で企業側にとっては、安いコストで資金を確保できるメリットもある。成長投資に必要な長期資金を調達する動きが広がりそうだ。