かんぽ、第一生命と業務提携 マイナス金利時代、収益底上げ狙う

 
握手を交わす日本郵便の高橋亨社長、かんぽ生命保険の石井雅実氏、第一生命保険の渡辺光一郎氏(左から)=29日、東京都千代田区

 日本郵政グループのかんぽ生命保険と第一生命保険は29日、海外保険事業や資産運用などを中心に包括的な業務提携を結ぶことで基本合意したと発表した。かんぽ生命が大手生保と幅広い分野で提携するのは初めて。マイナス金利政策の下で資産運用の環境が厳しくなる中、経営資源を相互に活用して収益の底上げを狙う。

 同日の記者会見で、かんぽ生命の石井雅実社長は「両社の強みを海外事業や地域発展に生かしたい」と述べた。一方、第一生命の渡辺光一郎社長は「郵政民営化の局面が変わる中で、(制約の)枠を守りながら提携を進める」と強調した。

 具体的には、第一生命のベトナム子会社にかんぽ生命が出資を検討するほか、同国における生命保険事業を支援する。資産運用では、かんぽ生命が第一生命の資産運用関連会社を活用した運用手段の多様化やリスク分散機能を強化。共同で成長分野への100億円規模の投融資を実施する。

 また、かんぽ生命が資産管理業務を委託している第一生命関連会社「資産管理サービス信託銀行」の第一生命保有株式をかんぽ生命に譲渡する方向で協議する。国内の生保事業では、ビッグデータを生かした新商品開発やIT活用による業務効率化などを共同研究する。

 日銀のマイナス金利政策により、契約者から預かった資金の運用でもさらなる収益悪化が見込まれる。生保各社は収益力向上が喫緊の課題となっており、両社の提携が生保業界の合従連衡を加速する可能性もある。