“地銀合従連衡”マイナス金利で活発化 厳しい見通し、巨大化で体力強化

 

 全国最大の地方銀行グループとしてスタートしたコンコルディアだが、1年後には首位の座を降りる。来年4月にふくおかFG(福岡市)が十八銀行(長崎市)を子会社化し、総資産でコンコルディアを抜くからだ。日銀のマイナス金利政策で地銀の収益悪化は避けられず、都道府県をまたぐ“合従連衡”は今後も活発化しそうだ。

 首位争奪戦

 「首都圏を強化する」

 1日記者会見したコンコルディアの寺沢辰麿社長はこう意気込んだ。昨年9月末の同社の総資産(横浜銀行と東日本銀行の合算)は17兆4000億円。15兆8000億円のふくおかFGを抜いて全国トップに躍り出た。

 しかし、十八銀を傘下に収めるふくおかFGの総資産は18兆7000億円に膨らみ、再び首位を奪われる。

 規模が大きくなった地銀は、運用できるお金や貸出金が巨額になるほか、事務部門の一元化などスケールメリットを発揮できる。合併や統合で体力を強化しようとする地銀グループは増えるとみられる。

 寺沢社長は「規模や首位にはこだわらないが、他の地域金融機関にも開かれた金融グループを目指す」と述べ、改めて他行の合流を排除しない考えを示した。

 利ざや稼ぎにくく

 東京商工リサーチによると、国内105地銀・第二地銀の2015年9月中間決算で貸出金の利息合計が前年同期を上回ったのは計13行にとどまった。金利引き下げ競争で「利ざや」を稼ぎにくくなっているのが実態だ。

 人口減少や高齢化という以前からの経営課題に加え、マイナス金利も重くのしかかる。地銀は、メガバンクのように海外事業に乗り出す余力やノウハウはなく、「狭いエリアで預金を貸し出しに回すビジネスが中心」(関係者)のため、収益見通しは厳しさを増す。

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズは、地銀の本業のもうけを示す業務純益が今後1年間で15%目減りすると試算した。

 コンコルディアの中期経営計画でも18年度の連結最終利益は810億円と14年度の848億円(2行合算)から縮小。寺沢社長は「マイナス金利がなければもうちょっとよかった」とこぼした。

 地銀再編では、新銀行東京が1日、東京都民銀行と八千代銀行を傘下に持つ東京TYFG(東京)入り。大正銀行(大阪市)も同日、四国のトモニホールディングス(HD、高松市)の傘下に入った。常陽銀行(水戸市)と足利HD(宇都宮市)は10月の経営統合を目指す。

 このほか千葉銀行(千葉市)と武蔵野銀行(さいたま市)は3月、独立経営を保ったまま、商品の共同開発や事務部門集約などを通じ、業務の効率化を目指す包括提携に調印した。

 「地方ごとに2つか3つの地銀グループにまとまる可能性もある」。あるアナリストはこう予想した。

 地方銀行の総資産順位

 順位 銀行名         総資産(億円)

  1 ふくおかFG+十八銀行 18兆7218

  2 コンコルディアFG   17兆4548

  3 常陽銀行+足利HD   14兆8480

  4 千葉銀行        13兆5098

  5 ほくほくFG      11兆7103

  6 静岡銀行        10兆9869

  7 山口FG        10兆 329

  8 西日本シティ銀行     8兆7093

  9 九州FG         8兆6971

 10 七十七銀行        8兆3770

 ※2015年9月末時点。九州FGとコンコルディアFGは傘下行の総資産の単純合計