三菱UFJ信託銀行 海外投資家の運用、2兆円に上げ

トップは語る

 □三菱UFJ信託銀行社長・池谷幹男さん(57)

 --日銀のマイナス金利政策で収益圧迫の懸念が生じている

 「非金利収入を伸ばし、資産管理・運用事業を伸ばしていく。海外投資家から預かる運用資産残高は今年1月末で1兆2000億円だが、中期経営計画が終了する2018年3月末には2兆円に引き上げる目標だ。5月には、日本の信託銀行で初めて中東ドバイに駐在員事務所を置く」

 --資源価格の急落で、オイルマネーは縮小しつつある

 「中東の政府系ファンドは運用資産を減らしているが、増やす資産分野もある。その一つとして、日本の株式や不動産を考えてもらいたい。巨額資金を運用する政府系ファンドからヒアリングし、ニーズがあれば英ロンドンや日本の営業部隊が駆けつける。既にドバイに支店を開設している三菱東京UFJ銀行とも連携したい」

 --海外の資産管理・運用会社の買収方針は

 「(ファンドからの預かり資産の時価算出や投資家向けの運用報告書作成などを請け負う)資産管理会社は過去3年間に海外で4社買収し、グローバル展開を加速している。中期計画の期間中、欧米を中心にある程度の規模の会社を買収したい。資産運用会社への出資も検討する」

 --日本国債を中心に運用される手頃な投資信託MMF(マネー・マネジメント・ファンド)の販売が停止された

 「債券、株式、外国債券、外国株式などを組み合わせたバランス型の投資信託商品を長く保有してもらうことが大事。また、マイナス金利による金利低下を受け、ファンドや年金基金などの顧客から受託した資金の一部に(18日から)新たな手数料をお願いする」

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【プロフィル】池谷幹男

 いけがや・みきお 慶大経卒。1981年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社。常務、専務を経て2016年4月1日から現職。東京都出身。