トヨタ自動車 燃料電池フォークリフト 技術や運用法探る

現場の風

 □トヨタ自動車専務役員・友山茂樹さん(57)

 --神奈川県などと風力発電の電気で水を分解して水素をつくり、燃料電池で動くフォークリフトのエネルギー源として活用する実証事業の運用を今秋から始める

 「燃料電池車(FCV)を普及させるためには水素ステーションの整備とともに水素の安定供給が重要になる。水素は(温室効果ガスの)二酸化炭素(CO2)を排出せずにつくるのが理想だ。実証では(発電から水素使用までの)CO2排出量を従来比80%以上削減する」

 --発電したエネルギーを水素に変える必要はあるか

 「風力や太陽光など再生可能エネルギーは発電量が変動して長期間の蓄電も難しいが、水素は貯蔵でき、輸送も可能だ。実証する京浜臨海部には横浜市風力発電所があり、倉庫も多いので産業用フォークリフトの需要が多い。貯蔵から輸送、燃料電池フォークリフトで使用するまで一貫したサプライチェーン(供給網)を構築し、地産地消のエネルギー社会のモデルにしたい」

 --課題は

 「コストや事業規模、規制などについて検証したい。国内は最大水素貯蔵量や貯蔵タンクを建物から一定距離離すなどの規制がある。規制は安全を守るためにあるので緩和すればよいというものではないが、海外の事例も参考にして2030年ごろの普及を見据えて技術や運用の最適な方法を探りたい」

 --今後の事業展開は

 「エネルギー事業に参入するつもりはないが、自動車が電動化して(燃料などの)供給態勢を整えるには多くの事業者が必要だ。複数の事業をとりまとめる構想や立案を通じて課題解決策を提案するビジネスは視野に入れている。これまでもグループ会社とともに次世代送電網『スマートグリッド』のプロジェクトなどに参加してきたのでノウハウを生かしていきたい」

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【プロフィル】友山茂樹

 ともやま・しげき 群馬大工卒。1981年トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。情報システム本部本部長などを経て2015年4月より現職。埼玉県出身。