キヤノンと技術力融合を期待 東芝メディカル、新製品発表会
新製品発表会にのぞむ東芝メディカルシステムズの瀧口登志夫社長=7日、東京都千代田区
経営再建中の東芝がキヤノンに売却した医療機器メーカー、東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市)は7日、コンピューター断層撮影装置(CT)の新製品発表会を都内で開いた。キヤノン傘下になることについて、瀧口登志夫社長は「優れた精密技術を保有しており、共同で新たな開発を行いたい」と述べ、技術力の融合に伴う相乗効果に期待感を示した。
東芝メディカルは同日、1回転で16センチを撮影できる320列のCTの新製品を発表した。X線の検出器の機能を向上させ、これまでよりも低被曝(ひばく)で高画質な画像処理を可能にしたのが特徴だ。瀧口社長は「CTの技術を磨き、2018年度までに世界シェア1位、売上高5000億円を目指したい」と目標を掲げた。
東芝メディカルは現在、CTの世界市場で2位、画像診断装置で4位程度のシェアを持っているとみている。優良会社の東芝メディカルの売却をめぐっては、買収額が高騰し、キヤノンと富士フイルムホールディングスとの一騎打ちとなった。最終的に、キヤノンが6655億円で競り落とした。
キヤノンは眼底カメラやX線デジタル撮影装置などを手がけ、医療部門の売上高は数百億円程度とみられている。製品のシナジー効果について瀧口社長は「それほどない」と慎重な見方を示しており、画像診断装置のシェア拡大につなげるには時間がかかるとの指摘がある。
一方で、キヤノンは高い光学技術を持っており、東芝メディカルの技術とうまく組み合わせれば、新たな画像診断装置を生み出す可能性はある。
現在、キヤノンは買収に向けて独占禁止法の審査を受けているが、瀧口社長は「特段の問題がなければ、審査期間は数カ月とみており、夏前にも両社で協議が行える態勢が整う」と早期の審査クリアに楽観的な見方を示している。
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