ドローン宅配実証実験スタート ワインボトル乗せ無事着地

 
千葉市の幕張新都心で行われた小型無人機「ドローン」の宅配実験=11日

 小型無人機「ドローン」でマンションに荷物を宅配する実証実験が11日、千葉市美浜区の幕張新都心で始まった。風が吹きすさぶ中、荷物を積んだドローンがマンションや大型商業施設の屋上と隣接する公園を往復した。国家戦略特区の規制緩和を活用した事業で、国と千葉市、楽天などの大手企業、研究機関が共同で実施。同種の実験は、過疎地の買い物難民対策として徳島県那賀町で2月に実施されたが、都市部では初めて。

 数年以内の実用化が目標で、今後、約10キロ離れた東京湾沿いの倉庫から海上を飛行して幕張地区まで荷物を運ぶといった、より高度な実験にも取り組む。

 この日は、ワインボトル1本を積んだドローンが「イオンモール幕張新都心」の屋上(高さ23メートル)から安定した飛行で公園に着陸。マンション屋上(同31メートル)からの運航も無事成功した。

 実験を基に、雨天や強風時でも安定飛行できる技術の確立や管制システムの設計を目指す。実験に使ったドローンを開発した千葉大の野波健蔵特別教授は「実用化に向けた課題を一つ一つクリアしていき、物流に革命を起こしたい」と話した。