コカ・コーライーストジャパンの挑戦(2-1)

グローバルなノウハウ融合
岩槻工場のコカ・コーラ製造ライン

 ≪岩槻工場に見る「労働安全はすべてに優先」≫

 コカ・コーライーストジャパン(CCEJ、東京都港区)は、「安全はすべてに優先する」という考えのもと、企業としての社会的責任を果たすとともに、すべての従業員の安全と健康を守ることが、ビジネス継続の根幹と位置付けている。製造現場では、どのような「労働安全の取り組み」が行われているのか。岩槻工場を訪ねた。

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 ■「職場の安全化」を目指す4つの取り組み

 2013年7月に関東・東海を商圏とするボトラー4社が経営統合し、16年1月には仙台コカ・コーラボトリング(株)を事業統合し、南東北地域(宮城県・福島県・山形県)を含む1都15県を販売エリアとするCCEJ。コカ・コーラグループで国内最大のボトラーとなったCCEJは、従業員数約1万1000人を超え、8つの工場を持つ巨大ボトラーである。社内のグローバル化が続く中、CCEJが力を入れているのが、労働安全衛生の活動を通して、「職場の安全化」を目指す4つの取り組みだ。

 (1)KORE「KO Operating Require-ments」(コカ・コーラオペレーション要求事項)

 コカ・コーラシステム内で働くすべての人が守らなければならないルールであり、労働安全衛生関連で21の要求事項がある。独自のマネジメントシステムで、国際規格である「ISO」や各種法令の要求事項を満たしつつ、さらに厳しい基準を自らに課す内容となっている。

 (2)労働安全衛生マネジメントシステム「OHSAS 18001」

 コカ・コーライーストジャパンの全工場にて認証取得済みの労働安全衛生マネジメントシステム。労働災害発生リスクの低減措置や設備の点検、災害時の対応を含めた従業員の各要求を満たした基準を構築し、運用することで、継続的な改善を図っている。

 (3)スマイルKYT活動

 危険・予知・トレーニングの頭文字からなるKYT活動は、従業員に対して労働災害事故を防ぐ意識づけを強めるために行われている。「スマイルと帰ろう!」のスローガンのもと、各種の研修を実施。従業員の危険感受性を高め、作業の中に潜んでいる危険の芽を予知することで、従業員を労働災害から守る狙いがある。

 (4)不安全状態を改善するリスクアセスメントの実施

 職場に関わるさまざまな危険性や有害性を見積もり、評価されたリスクを低減するための優先度を決め、低減措置を実施している。

 これらの取り組みにより、15年度の休業労働災害発生率は、前年比約26%減少する効果をあげている。

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 ■安全性の確保と作業の効率化を両立するために

 CCEJでは、労働災害が発生するメカニズムを次のように分析している。思い込みや先入観、無意識な動作やくせなどによる「人間の持つ特性」と、“面倒なので省略しよう”“他の人もやっているから”という安全軽視を許す「職場風土」だ。企業が持つ永遠の課題ともいえる、「安全性の確保と作業の効率化」をどう管理すべきか。

 2年以上、無事故が続く同社岩槻工場の製造統括部岩槻工場工場長の中山秀樹氏と製造課課長の平山隆之氏に話を聞いた。

 「徹底した社内教育や研修も受けています。また、安全が大事だということは誰でも理解しているのです。その上で大切なのは、管理する側の基準を合わせることです。担当者の安全意識が高ければリスクは小さくなるが、意識が低ければリスクは大きくなります。意識の高低により現場への指示にもばらつきが出ます。それでは部下たちは戸惑い、会社への信用を得られません」

 「管理する側も、それぞれキャリアも経験値も違います。ですから、毎朝の朝礼で基準合わせを必ずしています」と中山氏。

 安全を守るためには、さまざまなルールを順守する必要がある。それまでやってきた工程にひとつでも作業が増えれば、効率が落ちることもあり、守る側のモチベーションも下がりかねない。管理指導を行う者が、同じ意識を持って指示を出すということが重要なファクターなのだ。

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 <岩槻工場>

 ◇設立  :1971(昭和46)年5月

 ◇所在地 :さいたま市岩槻区 古ケ場2-8-6

 ◇敷地面積:6万4094m2

 ◇建屋面積:2万8970m2

 ◇従業員数:計206人