コカ・コーライーストジャパンの挑戦(2-2)

グローバルなノウハウ融合
機械の動作中に事故が起きないよう、非定常作業時には必ず鍵をかける

 ■現場からの声を生かす安全対策の事例

 <全工場で「ロックアウトシステム」導入>

 岩槻工場で実際に行われている安全対策の事例をみていこう。

 全工場に導入されているのが「ロックアウトシステム」だ。機材、設備、清掃、改造、修理時の非定常作業時の災害対策として、KOREでも要請されている。

 機械の動作中には事故が起きないようにその個所に必ず鍵をかける。各個人が種類の異なる鍵を腰につけており、鍵をかけた本人でなければその鍵をはずすことはできない仕組みで、安全性を確保している。

 また、全社員が日々の業務を見直し、「徹底的なムダの排除」と「業務の標準化」を目的としているのが、業務改善プロセス「OE(Operational Excellence)」である。

 自分たちで職場を整え、働きやすくしようとする意識を高めるためのもので、その改善案は年間で5万件にもおよぶ。

 <コンベヤーへのプラチェーンの設置>

 商品を運ぶコンベヤーの高さは、商品を注視する必要があるため高さが約1mだ。コンベヤーの向こう側に行こうとすると下を潜らねばならず、頭部を強打する事故が発生した。その後、即時に実施されたのが帽子の中にかぶる防護用のインナーヘルメット装着とプラチェーンの設置だ。

 プラチェーンの下のどこをくぐるか場所を決め、簾のようなプラチェーンを設置。コンベヤーの下をくぐっている間は、チェーンが頭に触れている感覚が生じるので、“頭をあげてはいけない”という意識が生まれるという。張り紙などで注意喚起をすることもできるが、五感に訴えるルールを設けることで、激的に事故数が減ったという。

 このような取り組み事例は、工場間で情報共有され、水平展開されている。

 <工場の外でも安全を守る>

 CCEJの労働安全への取り組みは自社工場内だけにとどまらない。

 街中で見られる自動販売機の横に置かれているペットボトルなどの空容器を回収するのも自社の業務のひとつだ。その空容器を回収する車両にも多くの工夫が施されている。

 車両の上部に積まれたペットボトルなどを入れた袋が、走行中に飛散しないよう防止策が取られている。レバーを上下させる操作により、回収した空容器袋を専用の網が抑える仕組みだ。

 セールスマンのトラック荷台上部からの落下事故防止はもとより、ハシゴの上り下りをしないことで、生産性向上にもつながっている。全車両導入を計画しており、順次切り替え中である。

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 ■仲間を信用し常にコミュニケーション図る

 リスクアセスメントによる案件や現場からの改善案など、さまざまな安全対策が日々検討される中、岩槻工場では、内容に応じて2つの「処置」を心がけている。

 「人の命が何より大事なので、危険な個所などあれば、すぐに安全対策を行いたいのですが、即時に行うことが難しい場合もあります。例えば“人がはさまれた”“落下しそうになった”という報告があったときは、防護柵やガードを付けることが望ましいのですが、工事の手配や予算の確保などですぐにできないこともあります。そこで、カラーコーンの設置など、その場ですぐに行えることを見極めて対応する“応急処置”をします。そのあとに、工事などを要する“恒久処置”を行います。」と中山氏。

 また、どんなに設備をよくして、ルールを強化しても絶対に事故が起きないといえない。そこで必要になってくるのが、明確な理由と説明するプロセスだという。

 「一方的にルールを押し付けても、忙しく働く従業員は少しでも機能的に業務を行いたいと思うものです。「やりなさい」ということは簡単ですが、その明確な理由をはっきりと示すことが重要です」

 現場で働く仲間を信用し、上司はしっかりと部下をみて、常にコミュニケーションを図ることも大事だと語る。「気を付けてね」のひと言をかけるだけでも、いっきに危険のリスクが減るという。

 「どんなに気を付けていても、事故がなくなることはありません。しかし、どうやってリスクを減らしていけるかを考えることは可能です。“新しいルールができたから今日から守ってください”と言うだけでは、現場で働く人たちに通用しません。大事なことは、安全で働くことの重要性を毎日繰り返し伝えることです」と平山氏は語った。

 2年以上も無事故・ゼロ災害が続いている岩槻工場でも、今日起こらないのだから明日も安全だという保証はどこにもない。

 安全で高品質な製品を消費者に届けるためにも、CCEJはこれからも従業員の命や健康を守る労働安全の取り組みを継続していく。