「まぜ辛めん」投入 夏場の集客てこ入れ リンガーハット・秋本英樹社長

 
リンガーハットの「まぜ辛めん」(同社サイトより)

 長崎ちゃんぽん専門店を展開するリンガーハット(東京都品川区)は、オリジナルのちゃんぽん麺を使用したピリ辛の肉みそが特徴の「まぜ辛めん」を発売した。500円台メニューシリーズの第2弾。リンガーハットの秋本英樹社長は「ちゃんぽんの消費が鈍りがちな夏場でも、お客さんに足を運んでもらえるように工夫した」と話し、商品力に自信を示した。

 --まぜ辛めんの特徴は

 「台湾まぜそばにヒントを得ており、汁がないのが特徴の一つだ。リンガーハットオリジナルのちゃんぽん麺を使用しており、太めの麺に肉みそがよくからむ。残ったタレに別売りのご飯や温度卵(未販売店舗もある)をトッピングすると“混ぜご飯”としても楽しめる」

 --夏場の集客のてこ入れを狙った

 「まぜ辛めんは、花椒(ファージャオ)を少し利かせ、国産の押し麦を配合した肉みそにこだわりがある。サンショウよりも辛みが強いといわれる花椒は、麻婆豆腐や担担麺などの四川料理によく使われ、さわやかな香りと舌がしびれるような刺激が特徴の香辛料だ。

 このピリ辛の肉みそと、香辛野菜をバランスよく仕上げたしょうゆスープ、さらに花椒のオイルを麺とあえて食べれば、食欲も増進する。価格も500円(税込み540円)に抑え、ランチタイムのニーズにも対応した」

 --外食産業では、食の安全を脅かす事件が絶えない

 「当社では2009年10月から全店で野菜を100%国産化し、その後、麺に使う小麦も10年に国産化、ギョーザ主原料も13年には全て国産へ切り替えた。さらに、素材の品質や産地にもこだわり、調理時の切り方や炒め方などにも注意を払い、おいしさの理由を徹底的に追求していく」

 --観光客の増加などグローバル化への対応も課題だ

 「和食はいまや世界的に注目されており、ちゃんぽん店ととんかつ専門店などを展開する当社も、今後も日本の味・長崎の味の魅力をグローバルに展開していく。国内外での和食のブランド価値をさらに高めるためにも、安全・安心やおいしさの理由を追求する努力を続けていくつもりだ」

 --従業員に対する意識の徹底や士気の向上にどう取り組む

 「フィロソフィーをまとめた冊子を活用し、企業理念の浸透を図る『フィロソフィー教育』に取り組んでいる。顧客満足度を高めるのは、スタッフ一人一人に経営者意識を求めることが必要だと考えているからだ。時間はかかるが、効果も少しずつ表れている」(小島清利)

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【プロフィル】秋本英樹

 あきもと・ひでき 近畿大学産業理工学部福岡キャンパス卒。1978年、浜勝入社。リンガーハット専務、リンガーハット開発社長などを経て、2014年からリンガーハット社長。61歳。長崎県出身。

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【会社概要】リンガーハット

 ▽本社=長崎県長崎市鍛冶屋町6番50

 ▽設立=1970年6月

 ▽資本金=50億6612万2834円

 ▽従業員数=正社員500人、パート・アルバイト約9000人

 ▽事業内容=長崎ちゃんぽん専門店「リンガーハット」、とんかつの専門店「浜勝」を主にしたチェーン店、長崎郷土料理店の経営