北九州空港 旅客数増へ海外LCC誘致
JAPAN style■オープン10年
北九州空港(北九州市)が開港から10年を迎えた。九州初の24時間空港として期待されたが、現在の定期便はわずか国内2路線。アクセスの不便さ、便数が多い福岡空港(福岡市)との競合から旅客数は伸び悩む。訪日外国人の増加を追い風に国際チャーター便は好調で、市は海外の格安航空会社(LCC)誘致で活路を開きたい考えだ。
◆アクセス不便さ要因
北九州空港は2006年3月にオープン。周防灘の人工島にあるため騒音の心配がなく、羽田行きの始発便は午前5時半発、羽田からの最終便は午前0時35分着と、出張客の利便を考えたダイヤも設定されている。
しかし、開港前の国の需要予測では12年度の旅客数は328万人と試算していたが、路線数が思惑通りに増えず、実際は年間120万~130万人前後で推移している。
一時は那覇、中国・上海などにも飛んでいた。ただ、搭乗率の低迷などで相次ぎ運休し、現在は羽田と愛知県営名古屋空港だけ。名古屋線も搭乗率は約40%で、北九州市の担当者は「周知が不足している」と話す。
鉄道の乗り入れがないなど、アクセスの悪さも要因の一つだ。北九州市門司区の主婦は「福岡空港をよく使う。バスが増えたら使いやすいのに」と不満を漏らす。
路線や便数が多く、割安運賃を選べる福岡空港の存在も大きい。福岡は国内屈指の混雑空港で、福岡県などは、北九州空港と福岡市中心部との行き来を促そうと、昨年7月から深夜早朝のリムジンバスを運行。しかし、1便当たり平均利用者は3~5人にとどまる。
◆着陸料助成を拡充
国際チャーター便は、台湾・台北便などの就航が相次ぎ、15年度は200便超と14年度の58便から大きく伸びた。県や北九州市は、受け入れが限界の福岡空港に代わり、海外LCCの路線誘致を目指しており、16年度は新規就航する会社への着陸料助成を拡充する。
ただ、中国経済の減速など、訪日客の増加が続くとは限らない。かつて北九州-韓国・釜山線を運航していたスターフライヤー(北九州市)の松石禎己社長も「チャーター便の増加と定期便は別で、就航先や採算性を見極めなければならない」と慎重だ。
一方、空港北側の国有地では、三菱航空機が開発を進める国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)の整備格納庫の建設が進む。18年にも本格運用が始まる見通しだ。航空機産業の集積を目指す地元の働き掛けで、量産機を試験飛行する拠点にも選ばれている。
アジア成長研究所(北九州市)の田村一軌上級研究員は「鉄道の乗り入れなどアクセスを向上させなければ、旅客や便の大幅な増加は厳しい」と指摘している。
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