事業投資から事業経営へ 三菱商事社長・垣内威彦さん(60)

トップは語る
三菱商事垣内威彦社長

 --2016年3月期は資源安で創業以来の最終赤字に転落する。資源と非資源をどう両立させる

 「想定以上の資源価格の変動は反省すべきだが、幸い(現金を稼ぐ)キャッシュフローは黒字だ。まず、価格変動に対応できるよう資源と非資源のポートフォリオ(資産構成)のバランスを調整する。資源は原料炭、銅、LNG(液化天然ガス)はしっかりやるが、3年くらいは価格が戻らない想定で資産は増やさず、(投資は)非資源に回す。いい資源資産があれば入れ替える」

 --今年度からの中期経営計画に盛り込む思いは

 「これまで事業投資を進めてきたが、当社が積極的に関わり、機能を発揮して企業を成長させる事業経営へとさらに踏み込みたい。経営に責任を果たす姿勢で取り組めば、さらに積極的に関わるべきか、逆に別の方に(経営を)お願いしたり、合併すべきかの選択も峻別(しゅんべつ)できる。インフラ事業でも日本メーカーや現地企業をまとめる機能から空港などを運営するオペレーターを目指す」

 --事業経営をどう実現していくか

 「企業を経営する能力を高めるために全社を挙げて経営力のある人材育成に取り組む。まずは、商売や三菱商事として何をすべきかの基礎を勉強した上で、子会社や事業会社で経験を積み、40歳で一人前の経営ができる人材に育ってほしい。若い時代に経営の一翼を担うと、会社が成功するかどうかの臨場感を従業員や家族と共有し、自然と使命を体感できると思う」

 --次世代収益にどう取り組む

 「アジアの生活向上に向けた消費に期待している。食や衣料など生活に不可欠なものはすべてターゲットだ。ヘルスケアも病院経営を含めミャンマーやインドネシアなどで可能性を探っている。将来はアフリカも消費市場の魅力が高まる」

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【プロフィル】垣内威彦

 かきうち・たけひこ 京大経卒。1979年三菱商事入社。オーストラリア三菱商事(シドニー)、生活産業グループ最高経営責任者(CEO)オフィス室長、農水産本部長を経て2010年執行役員、13年常務執行役員生活産業グループCEO。4月から現職。兵庫県出身。