東芝の水素発電システム、横浜市が導入 災害時の非常用電源として期待
東芝が横浜港流通センターに設置した自立型水素エネルギー供給システム=21日、横浜市鶴見区(黄金崎元撮影)
東芝は21日、横浜市港湾局の横浜港流通センター向けに受注した自立型水素エネルギー供給システムが運転を開始したと発表した。このシステムは太陽光発電や水素を活用し、二酸化炭素(CO2)を排出せず、電力を安定的に供給できる。横浜市は、このシステムを災害時の非常用電源として活用する実証実験などを行っていく。
東芝が提供するシステムは水電解水素製造装置、水素貯蔵タンク、燃料電池、蓄電池、貯湯タンクから構成されている。
太陽光発電から供給される電力で製造した水素を水素タンクに貯蔵。災害時にライフラインが寸断した場合にタンクの水素を使用して燃料電池で発電する仕組みとなっている。
雨が降って、太陽光発電が利用できない場合でも72時間分の電力を供給できるという。また、平常時には事務所内の使用量電力を制御し、エネルギー効率を高めた運用も可能だ。
東芝は横浜市のほか、JR東日本やハウステンボスからも、自立型水素エネルギー供給システムを受注している。災害対策用のほか電力事情の悪い地域で活用が期待されており、大田裕之次世代エネルギー事業開発プロジェクトチーム統括部長は「今後、アフリカや中央アジアなどでも供給したい」と述べるなど海外展開も視野に入れている。
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