コーヒーこだわり派つかむ 関連メーカー、セミナーや専用器具
自宅でも喫茶店のような本格的なコーヒーを味わいたいという人が増えている。豆や入れ方にこだわった米国発の「サードウエーブコーヒー」カフェの増加や、コンビニエンスストアの入れたてコーヒーの人気が背景。関連メーカーはセミナーを開いたり、専用器具を販売したりして市場拡大を狙う。
◆ハンドドリップ憧れ
3月下旬、東京都港区にあるキーコーヒー本社の隣のビルで開かれた「コーヒーセミナー」。講師の説明を受けた女性5人が真剣な表情でコーヒーの粉が入ったドリッパーに、手で持ったポットからお湯をゆっくり注いでいた。
神奈川県茅ケ崎市の40代の会社員、鈴木知美さんは「1杯ずつていねいに入れるハンドドリップに憧れて参加した。教えてもらった方法で家族や友人においしいコーヒーを振る舞いたい」と話していた。
同社はさまざまな有料セミナーを定期的に開催。このところ若い女性を中心に初心者向け講座が人気だという。
「抽出するのが難しい。なかなかおいしくできない」といった消費者の声に応え、2014年11月、ドリッパー(594円)を発売した。
最適な速度を保ちながらコーヒーを均一に抽出し、安定した味わいやコクを引き出すために、内側をダイヤカット形状にした。15年度の販売数量は計画を約3割上回って推移しているという。
15年には、抽出されたコーヒーを受けるサーバー(500ミリリットル容器で1620円)を発売。広報担当者は「今後もコーヒーを楽しんでもらうための道具を開発したい」と話す。
◆生豆から焙煎
手作業は少々面倒だが、1杯ずつ抽出した本格的な味を楽しみたいという人に人気なのが、UCC上島珈琲(神戸市)が15年3月に発売したコーヒーマシン「DRIP POD(ドリップポッド)」(1万9440円)だ。
1杯分の粉を不織布で個包装した専用ポッドを使用。おいしさを引き出すのに最適な「湯温、蒸らし時間、湯を注ぐ速度」といったプロの技術を搭載したマシンだ。ワンタッチで簡単に操作でき、掃除もしやすい形状にした。その日の気分に合わせて飲めるよう希少価値の高い商品など17種類のポッド(税別で1個63円~2000円)を用意した。
開発担当者の植田恵美さんは「ターゲットは30~40代の女性。インテリアにもなじむよう見た目も重視した」と話す。全国の量販店などで販売しており、新生活でそろえる家電の一つや贈答品として購入されるケースが多いという。
コーヒーの上にミルクでさまざまな模様を浮き上がらせる「ラテアート」人気を受け、自宅で上質なミルクの泡を作れる「ミルクカップフォーマー」(1万2960円)も15年12月、発売した。
ドリップだけでは満足できないこだわり派に注目されているのが、ダイニチ工業(新潟市)の、コーヒーの生豆をいる焙煎機能が付いたコーヒーメーカー「カフェプロ503」(8万6400円)だ。生豆を投入し、いり加減を「深め」「標準」「浅め」の3種類から選択。約14分かけて焙煎する。電動臼歯式ミルも搭載されており、豆をひき、抽出作業もできる。
焙煎にも興味を持つ人が増えているため開発した。自宅で使う人やオフィスでの設置を中心に販売が伸びているという。
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