名門「三菱グループ」に再び試練 三菱自不正問題、苦悩する御三家
三菱自動車の燃料試験における不正行為に関して記者会見する相川哲郎・取締役社長兼COO(右)ら=20日午後、東京都千代田区の国土交通省(伴龍二撮影)
三菱自動車による燃費試験データの不正発覚で、名門「三菱グループ」は再び試練に見舞われている。2000年に発覚した同社のリコール(回収・無償修理)隠し問題では「御三家」と呼ばれるグループ主力3社(三菱重工業、三菱商事、三菱東京UFJ銀行)が全面的に支援した。今回の不正発覚でも三菱UFJ銀の永易克典相談役は21日、取材に対し「とんでもない話だが、精いっぱいの支援はする」と打ち明けた。
三菱自は、リコール隠し問題による業績悪化で経営危機に陥ったため、05年に御三家などが総額5400億円の支援に乗り出し、三菱商事出身の益子修氏が社長に就任した。15年3月期は円安の恩恵も受け、最終利益が過去最高となるなど復活の兆しが見え始めていた。
昨年9月末現在の三菱自の株主構成をみると、三菱グループの保有割合は3分の1を超える。
永易氏は今回の不正について「とにかく事実関係の把握が最優先」と強調したが、三菱グループ29社で構成する「金曜会」で支援する考えも示唆した。
金曜会は、毎月第2金曜日に例会を開くことから、この名がついた。親睦会だが結束力が強く、現在は三菱UFJ銀の平野信行会長が代表を務める。
リコール隠し問題では御三家が「三菱ブランドを守る」と団結。グループのメンツを懸けて経営陣の派遣や巨額の金融支援などの再建策をまとめ上げた。
ただ、ある三菱グループ幹部は「今回の不正は、安全にかかわるリコール隠しとはやや異なる。三菱自が真摯(しんし)に対応すれば乗り切れる」と分析する。
一方、別の関係者からは「『またか』という気持ちだ。今後、販売不振に見舞われて財務が悪化する」と懸念する声も聞かれる。各社とも、まずは三菱自の対応を見守る方針だ。
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