シャープ、AIがおすすめ番組通知 「ココロビジョンプレーヤー」発売へ
シャープは21日、液晶テレビ「アクオス」につなげると、人工知能(AI)が家庭のテレビ視聴傾向や好みを学習し、おすすめの番組を音声で知らせる機器「アクオス ココロビジョンプレーヤー」を6月10日に発売すると発表した。
放送を見逃しても、インターネットを通じて配信される「見逃し配信」の番組なども通知。若年層を中心にテレビ離れが進む中、テレビとAI、通信技術を融合した技術で商機獲得を狙う。
また、傘下入りを決めている台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と共同で、早ければ年内にテレビを共同開発する方針も表明。鴻海との連携で再建を目指し、2017年3月期にテレビ事業を黒字化したい考えだ。
ココロビジョンプレーヤーは、家庭が各曜日・時間帯に見ているテレビ番組の傾向や好みをAIが学習する仕組み。放送予定の番組のほか、見逃し配信にも対応し、動画配信サービス「ビデオマーケット」が提供する13万本超の映画やアニメ、ドラマなどの中から、おすすめの作品を選んで知らせる。
家族の見分けはつかないが、人が近づくと人感センサーで検知し、アクオスの電源を起動。内蔵スピーカーから音声で話しかける。想定価格(税別)は2万円前後で、月産5000台を計画する。
合わせて、高精細な4K映像や音質を向上させたアクオスの新製品3ライン7機種(16万5000円前後~43万円前後)も6月10~25日に発売。ココロビジョンプレーヤーの機能を内蔵した機種も開発する方針だ。
シャープは鴻海から3888億円の出資を受け、約66%の株式を譲渡する契約を今月2日に締結。テレビや白物家電、スマートフォンの共同開発も検討しており、長谷川祥典専務執行役員は「鴻海の工場で生産することも考えている」と述べた。
また総額2000億円を投じて、次世代の画面表示装置となる有機ELパネルの量産体制を築く計画。大型の有機ELテレビの開発も検討する。
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