東芝社長に綱川氏昇格へ 再建策実行の手腕を高く評価
経営再建中の東芝が、6月に退任する室町正志社長(66)の後任に綱川智副社長(60)を昇格させる方向で調整に入ったことが24日、分かった。
不正会計問題発覚後に経営企画部門を担当し、再建策の実行に携わった綱川氏の手腕を、東芝の人事の諮問機関である指名委員会(委員長・小林喜光三菱ケミカルホールディングス会長)が高く評価した。東芝は、経営陣を刷新して再生を目指す。
退任する意向を固めた室町氏の後任について指名委は、3人の副社長を中心に選定を進めた。綱川氏は、3月にキヤノンへの売却を決めた医療機器子会社の事業拡大で頭角を表し、2010年から4年間は同社社長を務めた。副社長としては、中国・美的集団に売却方針の白物家電事業も担当しており、両事業の切り離しを含む経営体質強化に貢献した。
室町氏の後任には、主力の半導体部門を担当する成毛康雄副社長の昇格が有力視されていたが、今後もグループで再建策を進めるにあたり、綱川氏が適任との意見が大勢となった。
指名委は5月に人事案を決め、16年3月期決算と同時に発表。6月下旬に開く株主総会後の取締役会で正式に就任する見通し。
関連記事