三菱自・決算会見詳報(中)「許されるなら復活する気持ちで」…相川社長、早期辞任を否定
《記者からあらためて経営責任を問う声があがる》
--受注が半減したことをどう受け止めるか。経営責任について聞きたい
相川社長「私も今回の件は厳しく受け止めている。本当にお客さま、弊社にかかわるステークホルダーの皆様に本当に申し訳なく思っています。おわびするしかない。一刻も早く、許されるならば復活するという気持ちで、最大限の早期収束と再発防止に向けたアクションをとりたい。その道筋をつけるのが私の当面のミッション。その先は本当に考える状況にない」
--三菱自の歴史から考えるとどういう時期にこの問題が起きたと受け止めているか
相川社長「14年(平成26年)度に優先株の処理を終え、財務体質が回復した年だった。そこから本業である商品の開発、販売にお金を投じて回復していくという途上に15(平成27)年度があった。今後10年間の商品の投入計画があって、ブランドを再生しようという年だった。まさにこれからブランド復活のスタートの年だったと認識している」
--スズキとダイハツ工業の軽の競争に割って入ることに無理があったのではないか。日産自動車と軽で協業することを決めた当時に社長だった益子修会長の責任があるのではないか
相川社長「軽の燃費競争は事実。競争しているから、商品開発のプロジェクトチームが他社に勝とうと燃費目標をあげていることも理解できる。ただ、そこに技術的な知見が最後の最後で届かなかったことが、こういうことになった可能性がある。もっと深掘りする必要があるが、そういう中での開発だった」
「当時の社長がどう関わっていたかという質問だと思うが、プロジェクトの目標はリーダーとチームがつくるもので、社長や役員に目標を作ってもらうことはない。社の商品会議でこれでいこうというときの責任者は社長だが、それは、できるということが下からあがってきて承認する。当時の社長が目標に関してうんぬんかんぬんということはない。私自身もプロジェクトリーダーやっていたが、目標を上の人に決めてもらう気持ちはなかった」
--三菱自は開発費が少ない一方で、軽から電動車までやらないといけない。それが問題の背景にあるのではないか。また、水島製作所(岡山県)にはサプライヤーも多いが、生産停止でどういう影響があるか
相川社長「単に費用だけ増やせば開発が進むかというとそうではない。人がついていかないと増えない。今回の燃費の問題は地道な開発のノウハウで、自動運転とか人工知能とかなら、かなり一気に大きなお金がないとできないが、地道な燃費改善は企業として積み上げてきた開発研究のベースのことだとおもう。お金が少ないから燃費がよくできなかったかというと間接的にはあるかもしれないが、直接的にはそういえないのではないか」
「サプライヤーへの影響は事実あると思う。ただ、影響はさまざまで、各社一律では難しいので、購買部門が特に水島、軽自動車にかかわるサプライヤーを訪問させていただいて、状況をヒアリングしている」
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