かんぽ生命、リスク資産割合を1年前倒しで1割へ マイナス金利に対応
日本郵政グループのかんぽ生命保険は27日、平成28年度の資産運用方針を公表し、株式や外国債券などの「リスク資産」を全体の1割まで増やす考えを明らかにした。当初は29年度の達成を目指していたが、日銀の「マイナス金利政策」で利ざやが縮小する中、1年前倒しして昨年12月末の6・4%から一気に増やす。
「国内債を中心とする運用では通用しなくなった。非常に厳しい環境だが、運用体制改革のチャンスだ」
かんぽ生命の奈良知明執行役兼運用企画部長は、同日の説明会で打ち明けた。
昨年12月末時点のかんぽ生命の運用資産残高は82兆6千億円と生保最大手の日本生命保険(61兆4千億円)を大きく上回る。その7割強は日本国債や社債などの「公社債」だ。日本生命は公社債の比率を全体の36・8%に抑えているが、かんぽ生命は長期国債を運用の柱に据え、安定して利ざやを稼いできた。
しかし、1月末に日銀が「マイナス金利政策」の導入を決めて以降、10年物までの国債利回りはマイナス圏に沈み、いくら契約者に約束した利回り(予定利率)を引き下げても利ざやを稼げなくなった。
このため、28年度の運用方針では、公社債を抑制する一方、国内外株式や外債を増やす。さらに、「(事業の成長性を精査して融資する)プロジェクトファイナンスへの参画や不動産投資の本格化」など運用対象も広げる。メガバンクが新たな資本規制(TLAC)に対応するために発行する新型社債の購入も視野に入れる。経営破綻すれば元本は大きく減額されるが、利回りが高いからだ。
かんぽ生命はリスク資産の運用ノウハウに乏しく、3月には資産運用や商品開発分野で第一生命保険と業務提携した。運用資産のうち数千億円を第一生命が出資する運用会社に預ける。
ただ、かんぽ生命株の27日終値は2631円。4100円を突破した昨年11月の上場直後に比べ、大幅に低迷している。経営の先行きが不安視される中、運用改革の成果はすぐ問われそうだ。(藤原章裕)
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