ミスドなど飲食業界で広がる体験教室 口コミで訪日客にも大人気
全国に店舗展開する飲食業界で、看板商品を手作りできる「食」の体験教室が活況を呈している。親子連れだけでなく、最近は急増する訪日外国人にも対応。うどんやすしなど日本食のほか、ドーナツなど洋菓子でも独自の作り方を伝授し、参加者を楽しませている。企業側には、食文化への理解を深めて将来の消費拡大につなげたい狙いもあり、より本物の仕上がりに近づけた体験教室へと内容を充実させている。(中山玲子)
専門知識も伝授
うどん店などをチェーン展開するグルメ杵屋が、大阪市内で親子連れを対象に開いたうどん手打ち体験教室。子供たちは「楽しい」とおおはしゃぎしながら、生地の上で麺にコシを出す足踏みに挑戦した。
うどん作りのプロが、小麦粉に塩、水を混ぜて熟成させ、麺棒で生地を薄く伸ばし包丁で切るまでの工程を細かく指導する。
会場によっては、参加者はレシピだけでなく、うどん作り用の麺棒をプレゼントされることもある。料金は1人1500円程度。
教室を開く目的を、担当者は「うどん文化に小さい頃から親しんでもらい、消費拡大につなげたい」と話す。
対象は家族連れなどにとどまらず、「将来、自分の店を持ちたい」という参加者のためには専門知識も伝授している。
同社の店舗も入る大阪・天王寺の商業施設・天王寺ミオでは、手打ち体験の教室に加え、だしの取り方やうどんの歴史なども教えているという。
口コミで外国人にも
最近の日本食ブームに乗り、訪日外国人の利用も増えている。和食チェーンの「がんこフードサービス」が京都・木屋町などの店で開催するすし握りの体験教室では、外国人の参加希望者が殺到している。
旅行会社の添乗員の間などで口コミで人気が広がり、中国や台湾などアジア地域からの外国人旅行者の団体予約が多い。
参加者は、すし職人の法(はっ)被(ぴ)を着てマグロやイカ、エビなど10貫ほどのすしを握る。本物のすし職人から握り方を直接指導してもらえるほか、記念撮影なども楽しめる。料金は3500円(税別)から。
教室では急増する外国人観光客に対応し、英語や中国語を話せる外国人スタッフを増やし、現在はスタッフ全体の1割程度を占めている。スタッフは英語などのほか、身振り手振りもまじえて教えている。
体験教室は午後2~5時とランチとディナー間の客が少ない時間帯を利用。担当者は「時間帯で増減が著しい客数を平準化することで相乗効果が期待できる」としている。
客への恩返し
「ミスタードーナツ」を全国展開するダスキンは昨年10月、ドーナツ作り体験の「ミスドミュージアム」などを備えた施設を大阪府吹田市にオープンさせた。
参加者は、生地をドーナツ型に抜いたり、揚げたりする手作り工程を体験できるほか、ハチミツ風味の同社の人気商品「ハニーディップ」などドーナツ5個を持ち帰ることもできる。参加費は1人500円。
担当者は「もうけにはつながりにくいが、お客さまへの恩返しの意味が強い」と話している。
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