沼津信用金庫長泉北支店・大嶽元英支店長(2)

フロントランナー 地域金融

 ■住宅ローン実行後も独自フォロー

 沼津信用金庫長泉北支店の大嶽元英支店長は、マッチング支援ではむやみに融資の提案をせず、経営サポートに徹するよう担当者に指導している。新規開拓先との信頼関係を構築していくことが、融資につながると確信しているからだ。

 実際、医療機器などを製造している精密機械メーカーの案件では、4年がかりで3人の担当者が引き継ぎながらマッチング支援を展開。月に一度は必ず訪問し、必要な支援はないかヒアリング。その熱意と誠意ある姿勢が評価され、新たな設備資金の需要が出たときに融資につながった。「取引がないにもかかわらず、ここまで丁寧に引き継ぎをする店舗は他にはないのでは」と大嶽支店長は話す。

 一方、大嶽支店長は各種ローンの獲得、さらには企業の新規開拓や取引深耕のためにも、沼津信金が取り扱う「ぬましん職域サポートサービス『ななつぼし』」を活用した職域営業も積極的に推進している。

 企業が「ななつぼし契約」を結ぶと、従業員は、各種ローンなどの金利優遇や法律相談・税務相談などの無料相談、また、提携企業223社の「ななつぼしファミリー店」での優待といったサービスを受けることができる。社内の福利厚生として提案すると、ほとんどの企業で断られることはないため、新規開拓や取引深耕のきっかけにしやすいのだという。沼津信用金庫全店で約2000社・3万3000人、長泉北支店では約60社・1000人と契約している。

 また、大嶽支店長は単に同サービスの提案にとどまらず、住宅ローンなどの「出張金融相談」の開催を提案するなど、より企業の従業員と直接会える機会を増やすよう担当者に指導。加えて、「住宅ローンのお客さまとは契約するまでは何度もお会いするのに、ローン実行後は足が遠のいてしまうことに気付き」(大嶽氏)、契約者向けに支店独自の「住宅ローン控除の確定申告勉強会」も考案した。借入後も顧客と接する機会を作ることで、他行庫の肩代わり防止や複合取引の推進という効果も期待できるわけだ。

 「ななつぼし」の契約先の従業員や、ハウスメーカーからの紹介により、住宅ローンの件数は着実に増加しているという。

                   ◇

 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp