安全運転、損保がサポート 走行データ収集しアドバイス
損害保険会社がドライバーの安全運転を支援する動きが広がっている。通信機能付きドライブレコーダーやカーナビゲーションシステムを使って走行データを記録。保険会社が持つ過去の事故記録と照らし合わせて、運転の診断をしたりアドバイスをしたりする。事故を起こさなければ利用者は保険料低減につながり、保険会社は保険金支払いを抑えられるメリットがある。
導入で事故20%減
損保ジャパン日本興亜は昨年3月に法人向けサービス「スマイリングロード」を始めた。営業車などに設置するドライブレコーダーを貸与。加速、ブレーキ、ハンドルなどのデータが同社のセンターに送信される。
収集したデータを分析し、各ドライバーの運転の特徴などを契約企業の管理部門に連絡、企業は社員の運転状況を把握。急ブレーキなど危険挙動があった場合は管理者にメールで知らせる。ドライバー本人には日々の安全運転度を診断して、スマートフォンに通知する。
サービス開始以来、昨年11月までに約250の法人が合計で1万台を超える車に導入。事故件数は、導入前の同じ期間に比べ20%減少した。自動車業務部商品企画グループの杉本光祐リーダーは「分析プログラムを自社開発したので、顧客の要望に応じて分析項目をさまざまに設定できるのが強み」と話す。
今年1月には、このノウハウを使った個人向けスマホアプリ「ポータブル スマイリングロード」の無料サービスを開始。スマホの衛星利用測位システム(GPS)機能を利用した運転診断のほか、カーナビアプリと提携し渋滞情報も提供する。同社の自動車保険契約者が対象だが、8月以降、機能を充実させて契約者以外にも提供する予定だ。
カーナビと連動
あいおいニッセイ同和損害保険が昨年4月に発売した「つながる自動車保険」は、トヨタ自動車が展開する、カーナビ搭載の自動車向け情報サービス「T-Connect(ティーコネクト)」と連動した商品だ。
ティーコネクトを通じて集めた走行データを基に、1カ月ごとに運転を5段階で総合評価してドライバーのスマホなどに送信。同じ車種の他のドライバーと運転の特徴を比較したり、大型連休時には「ロングドライブは休憩しながらゆっくりと」とアドバイスをしたりする。
保険料は、定額の基本分と、走行距離に応じて決まる走行分を組み合わせる。月間の走行距離を1キロ単位で把握し保険料に反映させるので、「合理的で無駄がない」とアピールする。
アクサ損害保険は、自動車向け情報通信サービスのベンチャー企業、スマートドライブ(東京)と昨年8月に提携。走行データで運転技術を分析し、巧拙を保険料に反映させる自動車保険の開発を進めている。
こうした保険は、若年層の保険料が高い欧米では普及している。しかし、比較的保険料が安い日本では、データ収集のための機器のコストを下げるのが課題という。
スマートドライブのサービス開発のノウハウと、アクサグループが世界規模で蓄積した走行データの分析を組み合わせることで、コストを削減。「2年後をめどに、機器を無料で客に配布し、走行データを収集する商品を発売したい」(担当者)としている。
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