フィリップモリスジャパン、19本入り390円の新LARKを発売
フィリップモリスジャパンは6日、主力ブランド「LARK(ラーク)」シリーズの新製品「ラーク・スマートプラス」を発売した。レギュラーとメンソールの2銘柄があり、いずれもタール1ミリグラム、ニコチン0.1ミリグラムで、1箱19本入り390円(税込み、以下同)。現行の同シリーズとしては唯一、400円を切る価格で日本のたばこ市場に参戦する。
同社の高野祐マーケティングアシスタントブランドマネジャーは「今、日本のたばこ市場は値ごろ感のある銘柄が席巻しています。背景にあるのは、日本の経済を取り巻く環境。サラリーマンの月々のお小遣いの額が年々下がって、過去30年で最低水準というデータもあります。弊社の考えとしては、単に安いものを提供するのではなく、消費者ニーズを的確に捉えつつ、品質も提供する。価格、ニーズ、品質の3つを伴って初めて値ごろ感というものが構成できると考えています。『ラーク・スマートプラス』は、この値ごろ感を強く意識した製品。市場を驚かせたい」と力を込める。
新製品の特徴としては、まず何といっても“1箱390円”という価格だ。「LARKというメジャーなブランドから400円を切る価格で出すということは、ニュース性もありますし、他の銘柄とも差別化できます。喫煙者の新しい選択肢になるのではないかと感じています」と高野氏は話す。2つ目の特徴としては機能面。タール1ミリグラムながらも力強い味わい。さらに同社のスーパースリム製品に比べて吸い減りが少なく、1本につき味わいが長く楽しめるという。また、においが少ないという機能も持つ。3つ目はパッケージデザイン。価格からくる安さのイメージを払拭するために、高級感、プレミアム感が感じられるような仕上がりで、モダンさを強く意識している。
1本の直径は7ミリで、普通のたばこ(同約8ミリ)に比べややスリム。力強い味わいを実現すると同時に、日本人の喫煙者の好みにも合うように、複数の葉タバコをブレンドしている。
世界的に見ても珍しい「19本入り」という商品設定について、高野氏は「消費者の行動パターンを分析した結果、価格のメリットを出す手段として、内容量を調整することにしました」と説明。さらに19本で390円というコンセプトについて消費者の意識調査を実施したところ、「普段の喫煙の行動や購買のパターンに大きな影響はないという結果が出ました。『1箱当たりの単価が下がるのであれば、うれしい』という声もいただいておりますので、多くの方に受け入れてもらえると思っています」と期待を込める。
390円÷19本=20.526…円。通常の「赤LARK」は1箱420円だから1本当たりにすると21円。日本たばこ産業(JT)の主力ブランド「メビウス」は440円で1本当たり22円。1本の値段で単純比較すれば、新しい「ラーク・スマートプラス」は“お得”ということになる。
で、肝心の味はどうなのか。 「力強い味わい」「長く吸える」「においが少ない」などとうたってはいるが、実際のところは?早速手にとってみた。
パッケージ全体のデザインはシルバーメタリックで統一され、レギュラーは青、メンソールは緑のロゴとラインが印象的。安っぽさは全くない。蓋を開けてみると、19本入りのため、中には若干の隙間があるように感じられる。前述の通り直径7ミリなので、外付けのパイプフィルターは使えないため注意が必要だ。
レギュラー、メンソールの順で吸ってみる。確かにタール1ミリグラムにしてはしっかりとした味わいだ。レギュラーはクセがなく、LARK伝統の濃厚で力強いフレーバー、メンソールはさわやかなミントのフレーバーがそれぞれ広がる。においも確かに少ないと感じた。このクオリティーでこの価格はインパクト大といえる。
2010年のたばこ税の大幅増税で、それまで1箱300円台だったメジャーなたばこ銘柄の価格は一気に400円台まで値上がりした。たばこと一緒にガムもしくは缶コーヒーなどを買っても500円以内だったのが、増税以降は難しくなってしまった。サラリーマンのお小遣いが厳しいと言われる昨今、この新製品ならワンコイン(500円玉)でたばこ以外にもう1品買えるというのは大きなセールスポイントにもなるだろう。
メインターゲットとしているのは、男性の成人喫煙者で30~40歳台。同社では、LARKブランドの主力にするという意気込みで、店頭などでのプロモーションも積極的に展開していく予定だという。(本間普喜)
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