(完)高橋社長、業績悪化も他人事 追加リストラ詳細明かさず

シャープ決算会見詳報
シャープの高橋興三社長=12日、東京都港区(寺河内美奈撮影)

 《シャープの平成28年3月期連結決算発表会見は質疑応答が続き、記者からは苦難が続くシャープ社員についての質問が出た》

 --社員がかなり流出していることへの受け止めは

 高橋興三社長「2度にわたる希望退職で3千人以上の仲間がいなくなった。危機感はある。そのためにもなるべく早く給与水準を戻し、賞与の回復も実行する。株主の反感を買うかもしれないが、中長期的な視点での優秀な人材確保とシャープ再生のためには必要なことだ」

 --さらに数千人を削減するとの報道が出ているが

 高橋社長「台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と一緒にやっていく中において、すぐに希望退職をまたやるという考えは持っていない。人員の適正化については、出資がまだ終わっていないので、検討することができない。一般論としては生産や品質とか、色々なところで相乗効果を作ることができるので、人員の配置を含めた適正化は出資後にできるはずだ。今ここで人数がどうかということは詳しく検討できる段階にない」

 《追加のリストラを示唆しながらも詳細は決まっていないとする高橋社長。記者はさらに追及する》

 --世界的に見たときに人員削減の計画はあるのか

 高橋社長「人員については、鴻海が中国ですごい組織をお持ちなので、そういうところに対して、どういう削減をしていけるかというところをしっかりと見ていきたい。東南アジアでもそうかもしれない。ただ、具体的な数字を持っているわけではない」

 《高橋社長は最後まで追加リストラの詳細は明かさなかった。質問は鴻海とのかかわりに移った》

 --鴻海の郭台銘会長に「これだけはやってくれ」、もしくは「やらないでくれ」と伝えたことはあるか

 高橋社長「次は鴻海の戴正呉副総裁が社長になるわけだが、前の人が何か言うのはものすごくまずいことだと思う。自分もシャープの元社長からとやかく言われたことはない。それに状況は1カ月もたてばいろいろと変わる。現在見ている世の中や技術の動向で判断して、3カ月後はこうだと判断して言うのは難しい」

 《最後の質問は再び高橋社長の経営責任を追及するものだった》

 --高橋社長はまるで天災にあったかのように経営悪化について話すが、液晶事業が悪化しているのに甘い判断で対応が遅れたのではないのか。改めて経営責任について聞きたい

 高橋社長「赤字については本当に申し訳なく思っている。今の責任の取り方は、自主再建は無理ということで、しっかりと鴻海との提携を実現させることが一番大事だと思っている。『失敗しましたからあとはよろしく』というわけにはいかない」

 --シャープという会社は、日本の中の大企業で、電機業界でも有数の企業。一般の国民にとっても日本の企業経営がよくないと思われる。それは避けようのなかった話なのか。運が悪かったでは卑怯(ひきょう)ではないか

 高橋社長「どこが大きな失敗かというと、シャープ自身の財務状況があった。それで打つ手が限られたのは事実。その中で、何とか一番ひどい影響を及ぼさないようと公募増資を繰り返してきたが、大きな減損もあり、大きな赤字になってしまった。それで最終的な判断として自主再建を断念した」

 《高橋社長はどこか他人事のようにも感じられる回答を繰り返し、会場のイライラがピークに達した午後4時15分ごろに会見は終了した》