「人財」育成し持続的な収益向上図る

トップは語る

 □三井住友海上あいおい生命保険社長・丹保人重さん(56)

 --中期経営計画の進捗(しんちょく)状況は

 「中計では『業界トップ水準の品質と飛躍的な成長の実現』をスローガンに掲げた。2014~15年度のステージ1では、品質について、例えば『安心お届け日数(証券作成日数)』は業界トップレベルだ。成長も、保有契約年換算保険料は13年度末の約3300億円から15年12月末に約3700億円と約10%増加、第3分野は600億円から750億円と約25%増え、躍進した」

 --16年度からのステージ2は

 「品質、サービスともさらに伸ばし、持続的な収益向上を目指す。そのためには“人財”の育成が不可欠であり、その一環として女性が活躍する場を広げる。20年までに課長代理職の女性比率を50%に高めるとともに、課長職以上の女性数を現状の5倍に引き上げる。また働きがいと生産性向上に向けた取り組み『ショクバリュー・クリエイト』を展開、職場の流儀による土台作りと、社員一人一人の仕事の付加価値を高める」

 --教育と研修を強化している

 「成長戦略として営業社員と代理店・募集人向け『MSA生命アカデミー』を4月に開校した。営業のレベルにあわせて長期間の研修を行い、お客さまのニーズに確実に応えるコンサルティング力を高める。代理店はお客さまの意向にあったオーダーメードの生命保険を提案できなければならないからだ。代理店の育成に向けてトレーニングを加速させ、損害保険との併売率を早期に現状の2倍に引き上げる」

 --生保業界の先行きは

 「少子高齢化で人口減少という大きな流れの中で、長寿化・高齢化への対応を生保業界は求められている。長生きリスクを補い、役立つのがわれわれの使命だ。日本が抱える課題克服に貢献する成長産業だと思っている」

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【プロフィル】丹保人重

 たんぼ・ひとしげ 慶応大経済学部卒。1982年住友海上火災保険(現三井住友海上火災保険)入社。2013年三井住友海上火災保険執行役員、15年常務執行役員、16年4月から現職。東京都出身。