日産、来週にも派遣技術者リスト ゴーン社長、三菱自の企業風土改革へ

 
インタビューに答える日産自動車のカルロス・ゴーン社長=13日午後、横浜市の本社

 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は13日、フジサンケイビジネスアイなどとのインタビューに応じ、資本業務提携で基本合意した三菱自動車の支援について、「技術者派遣の依頼があったので、来週にも人材のリストを提示する」と述べた。三菱自は日産の技術系幹部を燃費データの改竄(かいざん)など不正があった開発部門のトップに迎え、企業風土の改革に踏み出す。

 ゴーン社長は「三菱自の経営陣が再建計画をつくる」として日産としては人材や技術面で支援する方針を示した。不正の全容が分からない中での合意を不安視する声もあるが、「資産価値の査定が終わるまでに、政府の調査結果が出る」と慎重に手続きを進める姿勢だ。

 日産は年内に三菱自株の34%を取得して筆頭株主になる予定。三菱自の会長ら4人の取締役を派遣できるが、「契約はまだ成立していない」と明言は避けた。

 三菱自とは軽自動車の供給停止で生じた損失も含め、全てで補償を受けることで合意しているとした。具体的な補償内容は、「行政の決定を待つ」としている。

 また、中堅自動車メーカーの三菱自の課題は信頼回復に加え、技術開発に巨額の費用が必要な中で、どう他社に対抗していくかだと指摘し、「日産は両方の解決に手を貸せる」と自信をのぞかせた。

 その上で、「三菱自が5~10年後、グループでより大きな一員となる」と強調し、日産・ルノー連合が成長するための大きな力になると期待を寄せた。今回の提携を機に自動車業界は今後も「合併や提携などの合従連衡が進む」との認識を示した。