自動車大手7社の17年3月期予想 最高益から収益環境が一変

 

 自動車大手7社の2016年3月期連結決算が13日までに出そろった。各社の17年3月期業績予想によると、本業のもうけを示す営業利益は、円高の進行により、ホンダと予想未公表の三菱自動車を除く5社が減益となる見通し。円高の逆風に加え、熊本地震に伴う生産影響、タカタ製欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)拡大に伴う対策費の増加もあり、最高益決算が相次いだ16年3月期から、収益環境が一変する。

 今期決算で各社業績の重しとなるのが円高だ。いずれも対ドルの想定為替レートについて前期より1ドル当たり15円もの円高を予想する。

 トヨタ自動車は円高影響で9000億円超の減益要因が生じ、17年3月期の営業利益は前期から4割減る見通し。減益は東日本大震災の影響で減産した12年3月期以来5年ぶりとなる。日産自動車も、円高が2550億円の減益要因となり、営業利益予想は1割超減る見通し。カルロス・ゴーン社長は「業績の逆風が吹いている」と懸念を示す。

 熊本、大分両県を中心とする地震に伴う生産影響も業績を下押しする可能性がある。地震で4月に二輪車生産が止まったホンダは、生産減少で今期に210億円の影響を受ける。費用は工場の復旧費などで、さらに膨らむ恐れもある。

 タカタ製欠陥エアバッグのリコール問題も収益を圧迫する。米道路交通安全局(NHTSA)がタカタ製品のリコール対象を米国で拡大したためだ。

 ホンダは13日、16年3月期決算にタカタ製エアバッグ関連のリコール費用として約4360億円を計上したと発表した。この影響により16年3月期の連結営業利益は前期比約25%減となったが、費用の一巡で17年3月期は増益予想だ。富士重工業はタカタ関連のリコール費用について17年3月期からの3年間で900億円を見込んでいる。自動車各社は、リコール費用をいったん支払った後でタカタと負担割合を協議する方針だが、調整は難航する恐れもある。

 一方、燃費データの不正問題に揺れる三菱自は、影響を慎重に見極めるとして、17年3月期の業績予想の公表を見送った。

 ■自動車大手7社の2017年3月期連結業績予想

 (売上高/営業利益/最終利益)

 ◆トヨタ

  26兆5000(▲6.7)/1兆7000(▲40.4)/1兆5000(▲35.1)

 ◆ホンダ

  13兆7500(▲5.8)/6000(19.2)/3900(13.2)

 ◆日産

  11兆8000(▲3.2)/7100(▲10.5)/5250(0.2)

 ◆マツダ

  3兆2800(▲3.7)/1700(▲25.0)/1150(▲14.4)

 ◆富士重工業

  3兆1700(▲1.9)/4200(▲25.7)/2930(▲32.9)

 ◆スズキ

  3兆1000(▲2.5)/1800(▲7.8)/930(▲20.3)

 ◆三菱

  未公表/未公表/未公表

 ※単位・億円、カッコ内は前期比増減率%。▲はマイナス。トヨタはダイハツ工業と日野自動車含む。