ベンチャー育成で欧米追撃へ 金融庁、フィンテック会議始動
金融庁は16日、金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」について、ベンチャー企業の創出や育成を後押しする方策を議論する有識者会議の初会合を開いた。欧米では新たな金融サービスをベンチャーが生み出すなどしてフィンテック分野が急成長している。出遅れた日本も有力なベンチャーが誕生する環境整備を急ぐ。
有識者会議のメンバーには、米マサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボの伊藤穣一所長らが選ばれた。会議は月1回程度開く。フィンテックの技術者や研究機関、企業、資金提供者などの集積や連携を促し、ベンチャーの起業や成長の流れをどうつくり出していくかなど幅広く検討する。必要に応じて規制緩和も視野に入れる。
金融庁の森信親長官は会合で、フィンテックは金融を大きく変えるとの認識を示し「より良いサービスが提供され、経済の健全な発展につながるのが重要だ」と述べた。
コンサルティング会社のアクセンチュアによると、フィンテック分野への投資額は2015年に世界で223億ドル(約2兆4000億円)。内訳は米国の122億ドルに対し、日本は6500万ドルにとどまっており、政府や企業は危機感を強めている。
欧米では金融危機後にITベンチャーが金融業界に続々進出し、スマートフォンを使った簡単な代金決済などユニークなサービスが急成長。大手銀行は自前の開発では急激な変化に追いつけず、ベンチャーとの連携を積極化している。
日本でも銀行がIT企業などを傘下に置けるようにするなど、フィンテック分野での成長に向けた規制緩和の議論が進みつつある。だが、肝心のベンチャーが誕生する素地に乏しいことが課題となっており、金融庁は有識者会議を通じて支援を進めることにした。
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