みずほ証券 国内外で魅力ある投資商品を提供
トップは語る□みずほ証券社長・坂井辰史さん(56)
--4月に社長に就任した。抱負は
「専門性の高い、強い証券会社を目指す。業容を順調に拡大させ、総合証券会社としての構えができてきた。また、みずほフィナンシャルグループの中にある経営資源を最大限活用し、縦横に連携しながら、顧客サービスの質を高める。こうしたことを通じて、独立系の大手証券と伍(ご)する地位をしっかりと確立していきたい」
--重点的に取り組む経営テーマは
「3つある。1つ目は個人向け部門のさらなる基盤拡大だ。顧客からの預かり資産は順調に増えている。2つ目は株式関連ビジネスの強化だ。当社の日本株アナリストは国内外で高い評価を得ている。3つ目は海外展開の維持・拡大だ。特に社債の引き受けでは、みずほ銀行との連携などを軸に、2015年度には欧州・米国・アジアの各市場で日系金融機関としては引受額ランキング首位となった。これらを定着させて、さらに伸ばしていく」
--日銀のマイナス金利政策の影響は
「証券ビジネスにとっては大きなチャンスになる。マイナス金利政策によって『貯蓄から投資へ』の流れが一段と本格化していき、顧客の運用ニーズは多様化していくだろう。こうした動きにどう応えていくかが重要で、個人や中堅・中小企業の顧客に対して、それなりの運用利回りが出る投資商品をいかに提供できるかが決め手になる。総合証券会社としての機能をフルに活用する」
--海外展開はどう強化する
「海外では8カ国に25拠点を構え、ネットワークとして必要な部分はほぼカバーできている。問題は質の充実だ。各市場で当社がブランドとして確立してくれば、さまざまな投資商品の提供などが可能になる。海外展開ではこれまで築いてきた足場をしっかりと根付かせることが現在の方針なので、リストラは一切考えていない」
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【プロフィル】坂井辰史
さかい・たつふみ 東大法学部卒。1984年日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。みずほフィナンシャルグループの執行役員グループ企画部長、執行役常務国際ユニット長などを経て、4月から現職。石川県出身。
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