町の文具店、新販路で生き残り コンビニや通販影響 7年で40%減

 

 文房具店が消滅の危機に直面している。経済産業省の調査によると、事業所はここ数年で激減。コンビニや通販の影響が大きく、売り上げが半分になった店も。法人営業に特化したり、展示に工夫を凝らしたり、生き残りをかけ、経営者は新しい販売戦略に挑んでいる。

 静岡市葵区の「オオイシ文具店」は、江戸時代から店を続ける創業150年以上の老舗だ。店主の大石康弘さん(50)は6代目。売り上げは20年ほど前に比べ、ほぼ半分に落ち込んだ。

 経産省が昨年末に発表した2014年の商業統計によると、文房具店に該当する「紙・文房具小売業」の事業所数は14年の調査で7254店だった。前回調査の07年から約40%減少している。

 全国の文房具店でつくる全日本文具事務用品団体総連合(東京都台東区)によると、急激に減ったのは従業員数が少ない小規模店。要因は販売窓口の多様化や価格競争の激化だ。

 コンビニやショッピングモールなど、文房具を扱う店が増え、専門の小売店に足を運ぶ人が少なくなった。また、商品を大量に仕入れ、法人を中心に安く売るインターネット通販の利用者が増加した影響も大きい。

 群馬県高崎市の「タカサキトミタ」は、09年から法人営業に特化した業務形態に移行した。現在、同社の主力サービスは、依頼者の希望に合わせて備品をそろえ、オフィス全体をコーディネートする事業。さらに取引先の担当者に直接文房具やオフィス家具を売り込んで業績を伸ばしている。従業員は5人だが、年商は店舗営業をしていたころの2倍近くになった。

 オオイシ文具店では顧客獲得のため、店内にさまざま仕掛けをつくった。商品棚には文房具の豆知識や占いを書いた紙が約200枚張られ、輪ゴムの箱や朱肉を組み合わせた「文具ロボット」が子連れ客に好評だ。店に足を運んで楽しんでもらうことに重点を置いて巻き返しを図る。大石さんは「大型店や通販と同じ土俵に上がるのではなく、われわれにしかできない売り方で勝負したい」と話している。